ヤマダ電機(群馬県高崎市)によるベスト電器(福岡市)の買収で、中国地方でも店舗網の勢力図が変わる。業界3位のエディオン(広島市中区)は当面、地盤を強化する方針を示すが、規模拡大の動きが加速する中、新たな提携戦略を迫られる可能性もある。
「上位8社は4、5社に淘汰(とうた)される。相乗効果が出る再編はどんどん進むだろう」。ヤマダの一宮忠男社長はこれまでの取材に対し、企業の合併・買収(M&A)が続くとの見方を示していた。
九州地方が地盤のベスト電器は、中国地方に直営11店(6月末)を展開。これが買収によりヤマダ電機グループに入る。ヤマダ電機の直営49店と合わせ、グループで計60店の店舗網になる。
一方、中国地方に直営店82店(3月末)を構え、強固な地盤を持つエディオン。久保允誉社長は「市場が縮む中では、M&Aの効果は大きくはない」との考えを示している。中部地方から西の地域で既存店を強化する戦略を描く。
6月のビックカメラ(東京)によるコジマ(宇都宮市)の買収で、エディオンは業界2位から3位に後退した。テレビ販売の不振や家電の値下がりなど厳しい環境が続く中、エディオンの動きが一つの焦点となる。