■初投稿■ 【投資脳のつくり方】米優良ローン証券急落

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
本日より、「みんなの株式」においてコラム「投資脳のつくり方」を連載させていただきます、経済アナリスト木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。

ファンドマネジャー、アナリストとして国内上場企業を1000社以上訪問取材してきた中で得られた考え方、また、現在も継続して行っている取材の中から見える未来予想など、多岐にわたる内容にしていきたいと考えています。

さらに、今年は海外情報をさらに充実していきたいと考えています。これだけ世界の市場がリンクしてくると、世界をこの目で見てこなければ、荒れ狂う株式市場を見通すことは難しいと思うのです。

2月にはすでにインドへの訪問を済ませ、さらに4月にはタイ・ベトナムへの訪問を予定しています。まだ予定はたてていませんが、ロシア、カナダ、アメリカへの取材も行う予定でいます。こちらも、あわせて当コラムでお送りできればと考えています。

平日毎日更新のコラム「投資脳のつくり方」、どうぞよろしくお願い申し上げます!

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2008年3月10日(月)本日お伝えする内容はこちら!


1.米優良ローン証券急落
2.マイクロソフトに旧世代感
3.ぎりぎりの難しい目標を課せ

>>http://www.terunobu-kinoshita.com/20080310-toushinou.pdf

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■本文テキストはこちらから!
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1.米優良ローン証券急落

 ●信用収縮がサブプライムローンから高格付け証券にも波及

 ●大手銀、住宅関連資産を圧縮

 ●投資家損失、拡大のおそれ

米国のサブプライムローン問題をきっかけとした信用収縮が高格付け証券にも波及している。住宅ローン証券の流通市場では最も安全とされる「トリプルA」格付けを持つ証券の価格が2月以降、史上最低の水準まで急落している。

当メールマガジンはもちろん、各種セミナーにご参加いただいた読者の方はすでにこうした事態は予測済みだっただろう。私は、サブプライムローン問題よりも、すでに「プライムローン」へ波及する懸念をすでに表明していた。

●12月28日付「投資脳のつくり方」より

来年は、サブプライムローンから通常のプライム層が利用しているホームエクイティローンに問題が移るだろう。さらに個人消費が減退する可能性が高い。米国GDPの7割は個人消費が占めているわけだから、米個人消費の落ち込みは2007年以上になるだろう。(ここまで)

サブプライムローンの残高1兆ドルに対し、米住宅ローン市場全体の規模は約10兆ドル。優良資産が劣化することの影響は甚大だ。さらに、これらの証券は、日本を含め、大手の金融機関が保有している可能性もある。しかし、すでに株価には、「トリプルA」格付けを持つ証券の価格が下落していることをかなり織り込んでいると考えられる。日本を含めた世界の大手金融機関のさらなる損失が計上されたとき、大底がやってくる可能性は高い。

2.マイクロソフトに旧世代感

 ●米マイクロソフト(MS)がヤフーに買収提案をして1ヶ月あまり

 ●米シリコンバレーの関心はさほど強くないよう

 ●MSもヤフーも波の後方でもがく旧世代企業に見えるのか


マイクロソフトがヤフーに対して仕掛けた買収劇が、米シリコンバレーでは、関心がさほど強くないようだ。すでに、MSやヤフーのビジネスモデルの次を見据えているからだという。つまり、MSやヤフーは旧世代企業だというのだ。

中でも、両社が旧世代と見られる主因に消費者向けネットサービスの主戦場がパソコンから携帯に移行したことがあげられている。しかし、それは適切な理由ではない。

携帯電話は旧世代云々ではなく、パソコンを中心としたビジネスモデルとは似て非なる市場なのだ。アップルだってiフォンではうまくいっていない。だから、昨年秋グーグルが携帯電話ソフトに参入するというニュースで急落したアクロディア(3823)は当メールマガジンで買いチャンスと伝えた。報道後、日経平均株価が落ち込む中、絶対リターンでも2割弱の上昇をキープしている。アクロディアは携帯ビジネスに特化した会社だからだ。一方、グーグルは携帯ソフトでは、現時点ではそう簡単には成功できないと考えていることも理由として挙げた。

むしろ、ヤフーは旧世代として新しいビジネスチャンスが広がっているとすら思える。マス媒体として、テレビや新聞などの既存広告と重なり合ってきているからだ。実際、英FT紙はアジアで電子媒体を強化し、ネット上のメディアの力を最大限に活用しようとしている。旧世代だからダメ、という意見はおかしい。旧世代になったということは、企業としてのパワーが増大したと見ることもできる。画一的な見方に偏ると、投資は失敗する。

3.ぎりぎりの難しい目標を課せ

 ●脳科学者、茂木健一郎さんに聞く

 ●自分の脳がどういう状態にあるのかを常に知ることが大事 
 ●自分の脳が喜ぶように、仕事の難易度を調整するとよい

テレビや雑誌で引っ張りだこの脳科学者、茂木健一郎氏。茂木さんが語る脳の仕組みを知ると、投資やビジネスに大いに役立つように思う。

●脳が一番喜ぶのは、全力でやってぎりぎりできるくらいの難しさの仕事に取り組む場合です。達成できると、脳内でドーパミンという報酬物質が出て脳が喜び、直前にやっていた行動回路が強化されます。

●自分にラクをさせようと思うと成長しません。ビジネスマンもアスリートであるべきです。成功しているビジネスマンは全力で疾走していって達成できるかできないかというレベルの目標を設定する人が多いようです。これは組織も同じでしょう。脳科学の理屈から言って間違いありません。もちろん、成功したら報酬をちゃんと与えなければいけません。

私は、なぜか仕事をしていると、いつも全力でやってぎりぎりできるくらいの仕事量が、どのタイミングにおいてもやってきたように思う。そして、目の前の仕事に一生懸命取り組んでいるうちに、なぜか仕事を覚えるということを何度も経験してきた。これは、脳がドーパミンを出し、行動回路が強化されているということだ、と知った。

また、最近は勉強本が流行っているが、私はほとんど目を通さない。私は、勉強本を読んで効率的に学ぶよりも、非効率を追い求めていろいろ苦労するほうが性にあっている。


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( 文責:木下 晃伸 きのした てるのぶ )
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1件のコメントがあります
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投資脳!
こういうのには弱いです(笑)

実際にどう売買するかではなく、その考え方…など、参考にさせていただけたらと思います。

これからも楽しみにしています。
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