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バックテストの目的

MDRの芝一樹です。
今回から数回にわたって、トレーディングプランの中核を成す売買規則(=システム)の試験方法について解説したいと思います。この試験はシステムトレーディングの世界ではバックテストと呼ばれ、これを行っていないシステムは優位性の確認ができていないということと同義です。このため、システムの評価には避けて通ることのできない重要なものです。
バックテストは、今書いたとおりにシステムの有効性を検証するための試験です。ところが、実際にシステムを作り始めると、多くの人が別の目的のためにバックテストを行うようになります。あなたはシステムの売買成績を向上させるために、チューニングの一環としてバックテストを行ってはいないでしょうか。より大きな利益率を求めて細かいパラメータを調整しながらバックテストを繰り返すことは、本来の目的から外れています。
何より、この試験方法は危険です。バックテストでは優秀な成績を出しているのに、実際の相場で使ってみたら全く役に立たないシステムだった、という経験はないでしょうか。これはテスト上でいい成績を出そうとあまりにも細かくチューニングしすぎた結果、過去のデータに過剰最適化(カーブフィッティングとも言います)してしまったために発生するものと考えられています。もちろん、このようなシステムは実際のトレーディングでは全く役に立ちません。
この問題は目標を定めずにとにかく高い利益を得ようと考えているトレーダーが最もはまりやすい罠です。明確なトレーディングプランが先にあって、システムがそれを達成できるのかどうかを検証するのであればこのような罠にはまることは避けられます。特に自分の目標を達成するにはどのくらいの利益率が必要なのかをはっきりさせておけば、成績中心のチューニングを行うことなく、目標を中心に据えて、それを達成できるシステムを選択できるようになるでしょう。これによって利用できるシステムの幅を広げ、より自分に合ったトレーディングプランを構築することが可能になります。
最後は少し話題がそれてしまいましたが、今回はバックテストの本来の目的について解説しました。次回は具体的なテスト手法について解説したいと思います。
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