スペイン、ギリシャ、フランスと案の定、再び、ユーロがきな臭くなってます。
ユーロ問題の本質は、前にも書いたように、金融政策と財政政策の捻れであり、金融政策の強度(緩和度合い)を各国ごとに最適化出来ないことにあります(ゆえに本来、あまりやるべきでない財政政策の必要性が高まってしまう)。
金融政策をECBに統合している以上、財政政策も統合すべきですが(それでもPIIGs等の財政政策依存の問題は残る)、それは出来ないでしょう、、今回の景気回復局面ではかなりの確率で無理です。
その場合、(今回景気回復局面における)一番、スムーズなやりすごし方は、金融政策をドイツ中心からPIIGS中心にするとともに、ドイツのインフレ圧力が過剰にならないよう、ドイツでは厳しい緊縮財政を取ることです。
この方法は、PIIGSへの財政支援度合いを小さく出来るのでドイツ国民の反発を抑制出来ます。
緊縮財政をとっても、ドイツの景気はそこそこ良いので、ドイツ国民の反発は受けにくいです。
そのうえ、ドイツ財政が更に良くなってしまうので、ユーロのアンカーソブリンであるドイツ国債がより強固になるメリットもあります。
これは将来の財政統合(ユーロ共同債)におけるのりしろを増やすことになる。
ドイツのバブリー化抑制&小さい政府化は、ドイツの潜在成長率向上にもプラスでしょう。
結局、ユーロで、ドイツはますます強大化することになるのです(おそらく、これは中長期的に見て世界と日本にとってマイナス要因かもです、、、なぜなら、ドイツも日本同様、繁栄の源泉=自由経済と民主主義、に対する十分な理解がないからです)。
、、、、さて、この方向に進むか否かは金融政策次第です。 ECBの金融政策が渋々でも緩和容認=PIIGS中心方向に進むならば、結果的にインフレ恐怖症のドイツは財政緊縮方向にシフトすることになるでしょうから。