週明け16日のNY金相場は続落。米国株式相場の上昇や欧州債務問題を背景とするドルの上昇を嫌気し、安全逃避先としての金の需要が後退した。スペイン国債の10年物利回りが一時6.16%と昨年12月1日以来の高値まで上昇し、これを受けて、欧州債務不安に対する警戒感が強まった事から、ドル相場が堅調に推移した為、ドル建ての金相場は相対的な割高感から売られた。ただ、その後はこの日に発表された全米住宅建設業者信頼感指数が7ヵ月ぶりに下落に転じた事から、為替市場でユーロが反発に転じたため、金相場は下げ幅を縮小した。本日は、スペイン国債入札(12カ月物・18カ月物)。また、19日には2014年10月と2022年1月にそれぞれ償還を迎える国債の入札を予定したいる。チャート的には、昨年安値から今年2月高値の半値押しレベルの4,231円が当面の下値目標か。余談ではあるが、米著名投資家ジョージ・ソロス氏は16日、デンマーク紙ポリティケン主催の討論会で、ユーロ危機が一段と悪化する事を懸念していると述べた上で、「ユーロは欧州連合(EU)の政治統合が弱体化させつつあり、こうした状況が続けばEUは崩壊する恐れさえある」と警鐘を鳴らした。
方向性 押し目買い
日中取引レンジ 4,265円~4,305円
大豆
週明け16日のシカゴ大豆は続落。先週に7ヵ月ぶりの高値を付け、テクニカル的な達成感からの売りや手じまい売りが出た事を背景に続落。作物にプラスとなる天候が作況見通しの改善に繋がり、トウモロコシと小麦の下落も大豆相場を圧迫した。中心限月5月限は、先週末比16.75セント安の1,420.00セントで取引を終えた。この日、全米油実加工業者協会(NOPA)が発表した3月の大豆圧砕高は1億4,053万4,000ブッシェルと、2月の1億3,635万ブッシェルから増加したものの、市場予想の1億4,380万ブッシェルは下回った。ブラジルの農業調査会社セレレスのアナリストによると、同国の大豆収穫は4月13日時点で88%が完了し、先週の82%から前進した。販売は予想収穫高の72%と、先週の70%から増加した。穀物産地のアルゼンチン・ラパンパ州などに、18日降雨予報が出ている。また、この日に予定されていた週間生育進捗率の発表は米農務省で火災が発生したため、17日に延期となった。
方向性 揉み合い
日中取引レンジ 43,750円~44,400円
池末