MatsuLingさんのブログ

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インターネットで金を稼ぐ方法は5つ

インターネットでお金を稼ぐ方法は、実のところそんなにパターンがあるものではない。「これはおもしろいWebサービスだ!」と思っても、収益はたいてい広告か月額課金。『ネットで新たに出現したお金の流れ』って、ほとんど存在しないのではなかろうか。みんな薄々感じていることだと思うけど、僕なりの視点をここにまとめておく。1. 広告型 -- 見る人を集め、見せたい人がそれを買う2. 実経済加速型 -- ネットのコスト削減効果を活かす3. サービス提供チャリンチャリン系4. 仮想世界のデータ販売 -- ファンを集め、世界観を売り出す5. プラットフォーム構築 -- 選ばれし者の胴元化戦略1. 広告型 -- 見る人を集め、見せたい人がそれを買うインターネットの利益と聞いて最初に誰もが思い浮かべるのは、広告による収入ではないかと思う。TwitterもFacebookも結局広告で稼いでいる。最も一般的で、最も単純で、最も予測のしやすいモデルである。アフィリエイトもこれに含んでしまおう(アドネットワーク、アドエクスチェンジについては勉強不足でよくわかりません。*1とか*2を読めば多少わかるかな)。*1 http://www.venturenow.jp/column/tsubaki/20100913008747.html*2 http://www.platform-one.co.jp/information/20110414jp.htmlこのモデルはシンプルであるが故に、参入も容易い。誰でも自身のブログに広告や商品リンクを張りつけ、ちょっとお小遣い稼ぎをすることができる。他の条件が同じであれば、PV数に比例してクリック数が上がり、それに応じて収益も増える。単純で予測がしやすい、というのはこういうことだ。方法は問わないからとにかく人を集めれば広告主に対する訴求効果は高いし、加えて特定セグメントのユーザを効果的に集める事が出来れば、広告主にとってその場所が価値を持ってくる。たとえば主婦層を掴んで話さないCookPad、いくつか存在するシルバー世代向けSNSなどが該当する。もっとも、一口に広告モデルと言っても、クリック率の割合をいかに上げるか、広告掲載先を複数のメディアからいかに効率的に選択するか、逆にいかに高いコンバージョンで広告を掲載するかと言った様々な立場の多様なプレイヤーが存在し、一筋縄では語れない。また、バックグラウンドにハイレベルな技術があることも多い。この辺の話は面白くて、サブプライムで職にあぶれた金融エンジニアが(なぜか)広告業界に大挙し、そのテクノロジーで広告業界のロジックを刷新して、数年前からアメリカ"東"海岸で新たな生態系を構築し始めているらしい。ユーザがページを表示した瞬間(リクエストをWEBサーバに送った瞬間)にそのユーザの履歴や属性を判定し、「ウチの広告を出してくれ!」と広告枠を求めて広告主が一斉に入札する、RTB (Real Time Bidding) というかなり熱い仕組みまで登場している。日本だと FreakOut という会社が唯一この技術を内製している。とはいえ、収益モデルとして見た時、「見る人を集められる相手に、見せたい人が金を払う」という基本的な図式は変わらないため、「広告型」をインターネット収益モデルの最初の一つとして取り上げることにさほど異論は無いだろうと思う。2. 実経済加速型 -- ネットのコスト削減効果を活かすインターネットならではの超・低コストを活かして、流通コスト・顧客獲得コストを極限まで落とし、低価格もしくは希少性をアピールポイントとして顧客に訴求する。数多あるネットショップ、はたまたネット証券、一昔前に流行したドロップシッピングもこの(2)グループに属する。ネットショップの雄、Amazon http://www.amazon.co.jp/ の"ロングテール"がまさにこの体現である。リアル店舗では置く場所がなく探し出す事も出来ない「マイナー本」も、インターネット上では見つける事が出来、案外売れたりして、チリが積もって馬鹿にならない利益を生み出しているという例の話。※だいぶ古い話だけど今はどうなんだろうね商品を仕入れ、(WEBページに)陳列し、客に売る一連の流れが、簡単なネット知識さえあればできるようになった。そのため個人商店や完全なる個人であっても、店舗を持つ事なく流通業に参入出来る。コーヒーが好きならコーヒー豆を独自輸入して販売すれば良し、花が好きなら市場から買い入れてアレンジして売るのも楽しいだろう。変わり種で行くと、enigmo http://www.enigmo.co.jp/ の提供するBUYMA http://www.buyma.com/ はC2C流通を実現した面白いモデル。ちなみにドラッカーは晩年このEC (eコマース) を重要視しており、『ネクスト・ソサエティ ― 歴史が見たことのない未来がはじまる』の中でECがグローバル企業を駆逐すると見ていた。逆に、流石のドラッカーも時代には勝てず、予測出来たのは"実経済の加速"たるECが限界だったのかなぁ、などと思ったりもする。社会学者であって、未来学者ではなかったからね。3. サービス提供チャリンチャリン系具体的にはEverNote http://www.evernote.com/ やSkype http://www.skype.com/ やAmazonやニコ動 http://www.nicovideo.jp/ etc...の有料(プレミアム)会員がこれに相当する。Amazonは(2)にも出て来たけど。他にも、ガラケー(カッコよく言えばフィーチャーフォン)の天気予報・路線ナビ・着メロ(古いか)サービスなどもサービス提供チャリンチャリン系ですね。一定のユーザにニーズのある「ちゃんとした」サービスを提供する事が出来れば、ある程度安定した収入が見込める。『フリー -- 〈無料〉からお金を生みだす新戦略 *3』において「フリーミアム」に分類されている"大半無料・一部有料"という収益モデルはこれに含まれる。*3 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4140814047/cuzitisthere-22/「サービス業もインターネット以前からあったじゃないか」という意見はその通りで、実はこれも基本的にはECによる実経済の加速と同じ原理。ネットを経由する事でサービスを提供する"先"がほぼ無数になったからこそ、"10%いるかいないか"という有料会員からの収入でペイする戦略を立てられる。4. 仮想世界のデータ販売 -- ファンを集め、世界観を売り出すROやFFXI等オンラインゲームの課金アイテム、アバターのオプションパーツなどがこれに相当する。mixi http://mixi.jp/ , DeNA http://www.dena.jp/ , GREE http://gree.jp/ のソーシャルゲーム課金はまさにコレですね。(1)の広告や(3)のサービス提供がベースにあることも多いが、サービス内で独自定義の独自データを販売する。特徴的なのは「その世界から一歩出ると価値がない」という点だ。"体験"を求めて対価を支払うという点で、小説や漫画・アニメにも通じるものがある。この収益モデル、ユーザを己の世界観に巻き込む事が出来れば、投資対効果は非常に高い。最近ソーシャルゲームが儲かるというのは、ココだろうね。本当に聞いてびっくりするくらいの収益を上げる可能性を秘めているらしい。個人的にはソーシャルゲームって嫌いで、暇人を集めて世の中の生産性を下げてあぶく銭をかき集めている感じが好きになれなくて、ゲームに時間をつぎ込んだ上資金までつぎ込むとか何がしたいのかよくわからんしお前その金俺に投資し(ry閑話休題。言ってしまえば元手は"ただのデータ"なので、うまくニーズをつかめば、デザインとゲームロジック調整程度でデータを数万のユーザに購入してもらう事が出来る。際限なく膨らませる事が可能で、ここはプレイヤーの腕の見せ所だろう。まぁ、そのベースを構築するまでが大変なんだろうけど。5. プラットフォーム構築 -- 選ばれし者の胴元化戦略最後に取り上げるのは、プラットフォームを作り上げる収益モデル。自分自身が「胴元」として絶対に損をしない仕組みを構築してしまい、その上で各プレイヤーに収益化の機会を提供するという思想...プラットフォーム戦略と呼ばれる。最も実現が難しく、最も複雑で、そして最も効果が高いモデルだ。『プラットフォーム戦略 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492532749/cuzitisthere-22/ 』という本も出て広く議論されることも多くなってきた(細かいことを言えばこの本はスカスカなのでパラ見をオススメするが)。(5)プラットフォームの中に、(1)~(4)すべてのモデルが格納され得ることに気がつくと思う。例胴元プレイヤー(5)+(1)Google AdSenseGoogle広告主、ユーザー(5)+(2)楽天市場楽天出店者(5)+(3)iTunse,Androide MarketApple,Googleアプリ製作者(5)+(4)mobage,GREE,mixiDeNA,GREE,mixiSAP(1)~(4)と比べて、一段、抽象度が上がっている。そして規模が違う。プラットフォーム間、デファクトスタンダードとしての位置を争う世界大戦が繰り広げられ、各地では上記分類の収益モデルがシノギを削っている。プラットフォームを作るか、作れないならば勝ち馬に乗るか、プラットフォームの手の及ばない所を攻めるか...。今後どう転ぶにせよ、いずれにしろプラットフォームの強大さを無視することが出来ないのが実際の所だと思う。
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