毎日新聞 3月26日(月)11時37分配信
北海道電力は26日、全国の原発で唯一稼働している泊原発3号機(北海道泊村、出力91.2万キロワット)について、5月5日から定期検査のため停止すると発表した。26日午前、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。
【国内稼働は泊のみ】東電の全原発が停止 新潟・柏崎6号機、定期検査入り
原発の再稼働をめぐっては、関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機について、内閣府原子力安全委員会が今月23日、再稼働の前提となる安全評価(ストレステスト)の1次評価に対し、問題ないとの確認結果を決定。再稼働は地元などの政治判断に委ねられているが、同原発を含め5月5日までに再稼働しなければ、全国の原発54基すべてが停止する事態となる。
泊3号機は昨年8月から運転を開始し、4月下旬に定期検査入りする予定だったが、電力供給が逼迫(ひっぱく)する恐れがあったため、北電は5月5日までの延長を検討していた。
◇新潟知事、柏崎刈羽再開に慎重
一方、東京電力柏崎刈羽原発6号機が25日夜に停止したことを受け、新潟県の泉田裕彦知事は26日午前の記者会見で「止まっているからといって安全ではない。(東電福島第1原発)4号機は停止中だったが爆発した。県としては、生きている原発としてしっかり管理してほしいと東電にお願いしている」と安全管理の徹底を求めた。
再稼働に向けては「福島の原発で何があったのか、未解明なことは山ほどある。そこを抜かすことはありえない。手続きも含めて話をする段階ではない」と指摘。福島の事故の検証が先とする慎重姿勢を改めて示した。ストレステストについては「気休めだと思っている」と批判した。【中西拓司、小林多美子】