「マルクス主義は時代遅れ」 キューバ入りするローマ法王

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ローマ法王ベネディクト16世(84)が26日から3日間の日程で、キューバを訪問する。


ローマ法王の同国訪問は1998年のヨハネ・パウロ2世以来。


法王は訪問に先立ち、23日に社会主義体制から「新体制」への転換を促すなど、キューバ政府に揺さぶりをかけている。

 法王は26日、東部サンティアゴデクーバで大規模ミサを主催し、27日にはキューバの守護聖人とされる「カリダデルコブレ聖母像」の発見から400年を祝う式典に出席する。


その後、首都ハバナでラウル・カストロ国家評議会議長(80)と会談する。

 法王は「新体制」の必要性について言及した際、「マルクス主義は時代遅れだ」と言明、国際社会が望む開かれた国家を構築する必要があると強調しており、議長にも抜本的な社会改革を迫るとみられる。

 バチカン(ローマ法王庁)によれば、病気療養中の議長の兄、フィデル・カストロ前議長(85)と法王が会談する可能性もあるという。

 欧米諸国はこれまで、反体制派を抑圧するキューバ政府を厳しく非難してきた。


同国政府はこれに対し、政治犯釈放の仲介役を務めてきたカトリック教会の頂点に立つ法王を手厚く迎えることで、欧米の批判をかわしたい意向だった。


しかし、訪問前に早くも、冷水を浴びせ掛けられた形だ。

キューバとバチカンは59年の革命以降、長らく反目してきた歴史を持つ。


カストロ前議長は60年代、革命政権転覆を狙う反体制派を支援する神父や尼僧らを次々と国外追放し、教会の資産も没収した。

 しかし、冷戦崩壊が和解をもたらし、96年にはカストロ前議長がバチカンを訪問した。


その後のヨハネ・パウロ2世のキューバ訪問で、雪解けが加速した。

 キューバではこれを機に、カトリック信者でもキューバ共産党員になることができるなど、宗教規制が大幅に緩和されたが、教会がメディアを利用したり、宗教教育を行ったりすることには制限が設けられていた。







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