エルピーダはなぜ倒産したか? その2

坂本彰さん
坂本彰さん

前回のブログでは、倒産してしまう会社を避ける目安を
お話いたしました。


「有利子負債が多すぎ、赤字決算が多い会社」


有利子負債についての調べ方ですが、見分けるのは、
会社四季報などで過去の業績推移をみればわかります。


会社の貯金である利益余剰金はマイナス529億円、
有利子負債は3,210億円となっています。


続いて過去の業績推移を抜粋いたしますと


04年3月 268億円の赤字
05年3月 82億円の黒字
06年3月 47億円の赤字
07年3月 529億円の黒字
08年3月 235億円の赤字
09年3月 1,788億円の赤字
10年3月 30億円の黒字
11年3月 20億円の黒字 


という流れですが、2年に一度のペースで赤字決算の上、
目立つのは黒字額に比べて赤字額の大きさです。


利益の出せない会社は株主にとって良いことはありません。


さらに、同社は赤字体質になる理由として価格競争型の
業種が挙げられます。


同社はDRAM企業でしたが、消費者様もご存じのとおり
メモリーの価格というのは、常にデフレ傾向です。


(DRAMとは半導体素子を利用した記憶装置。
コンピュータのメインメモリなどに利用されます。)


パソコンであれメモリーであれ、容量が多くなっても価格は
反比例を続けています。


私が最初購入したパソコンは20万円以上しましたが、今
使っているパソコンは10万円くらいで買いました。


最近では5万円台でパソコンは販売されていますが、性能は
新しいほうが良いはずです。


しかし会社が最新のものを提供する場合、工場や設備投資に
数百億円単位で必要となります。


こういった多額の投資をして新製品を作っても、競争が厳し
すぎて価格に転嫁できず、利益にできない業種なのです。


意外と価格競争型の業種、企業は多いです。


あなたの保有株で価格競争型の企業があれば、保有対象から
外す検討も必要かと思います。


ここまで長々と書いてきましたが、最後に私が伝えたいことは
「消費者にとっていい会社は、株主にとってもいい会社とは限らない」
ということです。


人により会社は異なると思いますが、この意味をじっくり考えて
いただければと思います。


追伸


私はエルピーダのことを知った時、JALが上場廃止になった時を
思い出しました。


共通項も多いですし、今後も知名度が高い企業の倒産は続き、
世間を驚かずはずです。


あなたの保有株も、過去の業績と有利子負債を再確認して
おきましょう。


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反応が高くなれば、今後も時事ネタについて触れていこうと
思います。

 

http://saig.livedoor.biz/archives/2416828.html

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