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利益を出すのを阻害しているもの

MDRの芝一樹です。今回から木曜日のコラムを担当することになりました。よろしくお願いします。これまで、毎週火曜日には市場の状況や直近の投資方針について、いわゆる時事ネタの記事を公開し、木曜日にはシステムトレード一般に関する題材をとってコラム形式で連載をしてきていました。基本的な内容には変わりはないのですが、木曜日のコラムは今回から改めてトレーディングに関する知識や技術について整理し直し、皆さんの投資に役立ててもらうための知見を体系立ててまとめ上げていきたいと思います。
MDRではこれまで「個人投資家が継続的に利益を上げ続けられる手法」としてシステムトレードに関する話題を中心に取り扱ってきました。重要なのは「継続的に利益を上げ続ける」ということで、システムトレードはその方法にすぎません。
システムトレードというと「ああ、あれか」と感じる人も多いと思いますが、世の中にあふれているシステムトレードについての情報は、まずシステムトレードありきになってしまっていることが多く、多くの人はシステムトレードを運用する、ということの本質を理解できていない可能性があります。このため、まず数回にわたってシステムトレードについて一般的に言われている常識を壊したいと思います。
そのためには、まず本当に利益の出せるトレーディングとは何かについて知る必要があるでしょう。最も重要なのは継続性です。一時的に利益を出せたとしても、それを継続することが出来なければ市場の中で取引を続けることが出来ず、継続的に利益を出すことの出来ない投資手法は本当に利益の出せるトレーディングとは言えないのです。
継続的な取引のために重要なのは運用者の負担が少なく取引をできる仕組みです。運用者も人間である以上、どんなに成績の優秀な投資手法であっても負担が大きいようでは継続的に利益を上げていくことが出来ません。そして、運用者の負担で最も大きなものは「心理的な負担」です。もちろん、フルタイムの仕事があるのに昼間相場に張り付いている必要があるとか、夜間取引中心のために睡眠時間がとれない、という物理的な負担は論外です。心理的な無理がかかると、運用者は市場に参加し続けることが出来なくなってしまうのです。
では、心理的な無理とは何でしょうか。これは「不安」に他なりません。中でも特に大きなものが、損失が出ているときに感じる「このまま運用を続けていて良いのだろうか」という不安です。その他にも「今買って良いのだろうか」「今手放して良いのだろうか」「自分の判断で大丈夫なのだろうか」という不安があります。人間は不安を感じると、それを取り除くために防衛機制と呼ばれる心の働きが発生します。皆さんは「あの人が言っているから買おう」と思ったことはないでしょうか。これはまさに防衛機制の一つで、「自分の判断で大丈夫なのだろうか」という不安を取り除くための防衛機構が働いているのです。これほど、人間の心理というのは知らず知らずのうちに行動に影響を及ぼすものなのです。
さて、ここまでで本当に利益の出せるトレーディング手法についてのあらましと、それを阻む要因が見えてきました。次回は利益を阻害する要因に対処する、という視点からシステムトレードについて検討してみたいと思います。
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