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知らざれる躍進企業・UBIC<2158>

最新技術解説 コンピューター・フォレンジック(e-ディスカバリー) 知らざれる躍進企業・UBIC



2012年03月06日12時00分

経常利益は前期比4倍強

今回は、最新技術を基に最近、業績を急伸させている具体的な企業とその技術を紹介します。

その企業とはUBIC(東証マザーズ上場)です。同社は企業の法的な紛争や訴訟の際に必要となる電子データの収集や解析(フォレンジック技術)を主な業務にしています。

UBICの事業は完全なBtoB(企業向け)ビジネスモデルで、高度で専門的。ベースとなっているのはセキュリティー関連のIT技術ですが、広報宣伝活動は皆無のため、一般にはほとんど知られていません。しかし、最近業績が急伸しているためか、最近、少しずつ知られてきました。

例えば2月16日付けの日経新聞は「新興企業、経営益11%増、4~12月決算集計」という記事のなかで次のようにUBICを紹介しています。

「独自の事業モデルの企業も伸びている。UBICは主に芸国での訴訟で求められる「電子証拠開示」の作成を支援。知的財産などを巡る訴訟の追加で経常利益は前期比4倍強の18億円となった」。

 

デジタルデータの元本性を保証

現在、コンピューターやデジタル機器の普及で文字や写真、音声などの記録がデジタル化されることが増えています。特許などについて企業同士の紛争や訴訟の際には、膨大な証拠や資料が証拠として必要となります。しかし、従来の紙文書では必要な部分を探し出すのに大変な労力を必要となります。その点、デジタル化された文書であれば、必要な部分を容易に検索したり、分類・整理し、保存も簡単に行うことも可能になります。

ただ、一方でデジタル化されたデータの場合、重要となるのがデータの改ざんに対する保護です。法的資料・証拠などが元本と同じもので、人が意図的に改ざんしたものでないことを証明することは、紛争処理や訴訟では不可欠です。eーディスカバリーでは、さまざまなIT技術を駆使して、データを解析し、資料・証拠が元本と同じものであることを保証します。

 

米国の民事訴訟法に対応

コンピューター・フォレンジックやeーディスカバリーが最近、日本企業でも注目されている理由に、米国の民事法の存在があります。

米国には「e-ディスカバリー」という訴訟に関連した電子メールや図面など、企業内部の電子データの開示を求める訴訟制度があります。日本の企業であっても米国でビジネスを展開していれば、日本の本社やデータセンターなどにある電子データすべてが証拠として開示対象になります。ひとたび訴訟に巻き込まれた際、膨大な情報の中から、早急に訴訟に必要な情報をより分ける必要が出てくるため、事前に情報の場所や量を把握しておくことが不可欠です。

この事実を知らないために、特許紛争の際に、膨大なコストがかかったり、紛争に敗れてペナルティーを課される日本企業は非常に多いようです。また、電子証拠解析技術(フォレンジック技術)は官公庁捜査機関から始まった技術で、日本でもすでに多くの捜査機関が採用しています。

さらに、コンピューター・フォレンジックは日本企業内での情報漏洩や企業内不正に対する調査にも使われており、年々、そのニーズは高まっています。UBIC創業者の守本正宏社長は1989年、防衛大学理工学部電気工学科卒業、1990年海上自衛隊入隊、1995年アプライドマテリアルズジャパンを経て、2003年8月に株式会社UBICを設立し、代表取締役社長に就任しています。

新しいビジネスモデルの企業として注目されます。


http://news.livedoor.com/article/detail/6342113/




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