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頭打ち感の広がる日本株

1月後半から先週まで、日本株は破竹の勢いで上昇を続けてきました。しかし、先週木曜日と金曜日に、チャート上に長い上ヒゲの陰線が出現し、昨日もこのときの高値を超えられずに株価が推移しています。このチャートパターンは上昇トレンドが下落に転じるときの典型的な形として有名です。また、日足のMACDも高値圏でのデッドクロスを形成しており、少なくとも一時的には過熱感を調整する動きになりつつあるようです。実際の取引でも出来高が減少してきており、株式市場にはやや減速の気配が出てきていると言えるでしょう。
今週金曜日には先月25日に正式提案が成されたギリシアの債務交換期限がやってきます。ただ、3/20にやってくる国債の大量償還までに、ギリシアは何とか債務交換を済ませたいという思惑があり、民間債務者の応募状況によってはこの期限が延びる可能性もありそうです。しかし、このイベントで重要なのは期限ではなく、民間債務者の債務交換への応募率です。
まず一つ目は66%を超えるかどうか、というところに山があります。この水準を超えた応募があれば、ギリシアはCACを発動して全債権者に一律のヘアカットを要求することができます。しかしこの場合には大きな危険を伴う問題が発生します。それは先週解説したCDS決済の発動です。CACの発動=CDS決済の発生、というのが市場のコンセンサスですが、もしかしたらCACを発動させることなく3/20の償還を迎えることができる可能性がある、という見方が出てきました。これが可能になる水準が75%です。ここを超えてきた場合、全債権者分の債券をヘアカットさせなくとも、第二次支援の資金と合わせて償還を乗り切ることが出来る可能性があります。ひとまずは9日時点でのギリシアの発表までは気の抜けない状況です。
その他の予定では、5日にアメリカのISM非製造業景気指数、7日にADP雇用統計、9日にアメリカの失業率などの経済指標が発表されます。欧州では、8日ECBの理事会も予定されています。いずれにしても9日の状況次第ですが、ここで大多数の民間債権者の合意があり、さらに雇用統計が改善されるようであれば、調整の地合いから一気に急上昇に転じる可能性もあるでしょう。現在のところは大惨事と大幅改善の可能性が五分五分で、資産の多くをリスクにさらすべきタイミングではないと考えられます。
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