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ギリシア最終局面
ギリシア救済に関わる状況が最終局面を迎えています。先週、ギリシアが欧州から要求されている緊縮策のうち年金改革についての同意が得られないまま欧州財務相会合が開かれたのですが、これでは融資できないということになり、週末を挟んでギリシアの各党党首が調整を続けていました。結果、日曜夜に年金削減まで含めての合意に至り、今週15日の財務相会合に改めて臨むことになりました。あとはこの会合でギリシアが緊縮策を実行できる、と認識されれば融資の実行、という方向に向かいそうです。
しかしギリシア国民はこの緊縮策に強く反発していて、全国規模でデモや暴動が発生しています。ギリシアは今年4月に選挙を予定しており、票の欲しい党が「緊縮はやっぱり受け入れられない」、と手のひらを返さないかというのが欧州各国にとって大きな懸念と言えるでしょう。ギリシア国民の反応を見る限りは簡単に事は運ばなそうな雰囲気です。
ただ、期限は差し迫っており、3/20の国債償還期限を迎えるにあたって、融資が決まってからも決めなければならないことが多く、3/15で融資の決定がなされなければデフォルトを起こす可能性はかなり高いと見るべきです。良い方向に転ぶか、悪い方向に転ぶか解りませんが、いずれにしても今週でほぼ決着がつくと考えて良いでしょう。
予断を許さない状況のはずではあるのですが、株式市場は大きく上昇していて、とくにアメリカ市場は過去最高値に向かってどんどん伸びていっています。日本市場も1月中旬から上昇転換し最安値圏からは離れています。しかし、日本市場の動きをみると過熱感への警戒から9,000円を目前に足踏みしており、昨日もアメリカ市場は伸びましたが、夜間の日経平均先物は9,000円を大きく超えることができずに小さな値幅で推移していました。ギリシアの後にはイタリアやスペインの問題も残っており、もろ手を挙げて株式市場の上昇を受け入れることができる状況ではないのは確かです。
今週の動向は15日の欧州財務相会合が握っています。いくつか重要な指標の発表もありますが、ギリシア問題の方が市場に与える影響ははるかに大きく、実際のポジションをどうするかはさておき、今週はリスクに備えて行動する必要がある週です。
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