今から2年ほど前、ここで投信とETFの比較について記させて頂きましたが、その後の検討、考察結果について今回改めて述べさせて頂きまする。
海外投資(投信、ETFなど)は、過去3年で騰落率を見るとプラスの利回りながら、ここ1~2年間の騰落率では多くの投信、ETFが逆ザヤになっているかと存じまする。特に前回例に挙げた新興国株式インデックスに投資する投信、ETFなどは顕著で、この1年の騰落率は、インデックス投信、ETFともに -15~-17%と大きくマイナスでござりまする。
釈迦に説法かとは存じまするが、下落の要因を考えてみると、以下のようではないかと。
① 3年前(2009年初頭)はリーマンショック直後で、世界的に株価は底だった。
② その後、2010年より超円高の進行(円建て価格の目減り)
③ 欧州不安によるリスク資産回避→株価の低迷
つまりは、ボラティリティの高い新興国株投信、ETFは買い時が難しく、底値で買わないと逆ザヤになる可能性がある、ということが申せましょう。
では、下げ相場に対して何か秘策はないものか。この約2年間、下げ方向だった新興国相場を見てきて、また実際に投資してみてわかったことは、いかにリスクを分散させるかということでござりまする。
みんかぶの日記ではあまり人気がないと申しましょうか、むしろ人によっては百害あって一利なしといわんばかりの投信でござりまするが、毎月一定額を定期的に積み立てで買う「ドルコスト平均法」ならば、実際に現時点で拙者の保有する「eMAXIS 新興国株式インデックス」は、この1年間の騰落率が-15%であっても、先週時点で「影ファンド(仮名)」ではプラスの実績を上げておりまする。
この方式が適した投信の条件としては、
① ノーロードであること
② 小額で積み立て投資が出来ること(証券会社にご照会下さりませ。)
③ 新興国株式インデックス投信など、ボラが高く将来的な成長が見込めること(ETFとの比較がし易く、かつ信託報酬も比較的安い。またボラが大きいと、下がった時に買い増しが有効である。)
ドルコスト平均法の利点は以下の通りかと。
① 毎月一定額を自動的に投資できる。(忙しい人、思い切りの悪い人、迷っている人でも毎月勝手に買っておいてくれる) ← これが案外大事!(笑)
② 株価が高い月は少なく、安い月は多く買える
③ 小額から投資できる。(手数料無料)
色々異論もござりましょうが、拙者は実際このドルコスト平均法でこの1年は有効であるとの検証は出来ておりまする。ETFや現物株を適時、適価で買えているという方は、この方法は必要ありませぬので無視して下さりませ。拙者は買うタイミングを見るのは下手なので、この方式を採っておりまする。
さてETFの場合は信託報酬などのコストは投信よりも安いものの、上記の積み立て、手数料無料というわけには参りませぬので、小額定期投資メリットは生かせず、自分で適時買うことになりまする。
ETFを買うタイミングとしては、小額でインデックス投信積み立てを行って、マイナスが膨れてきた時。ここで適時新興国株インデックスETFを買っていわばナンピンに近い買いを行うこと。まとめると以下のようになりまする。
① ドルコスト平均法で投信を毎月一定額買い
② 上がった時に利確、もしくは積立額を減らすなどリバランスを行う(必ずルールは事前に決めておく)
あと、出来る方はETFの信用売りという手も。
③ 大きく下がった時はETFで買い増す。
今回は新興国株式インデックスを例に挙げましたが、例えば純金積み立てや、資源ETFなど、ボラが大きく、長期的な上昇が見込まれる市場に投資することが肝要であることも付記しておきまする。以上、ご参考まで。