本当にあったひどい話

[LONERさん]

そう、あれは２日前、ＰＨＰ勉強会の帰りだった。私は堺筋線に乗って動物園前まで行くつもりだった。動物園前まで行けば、御堂筋線に乗り換え、西田辺まで行けると信じて。
しかし行けども行けども動物園前には着かない。まさかと思って気づいたときには長田である。中央線に乗って、地下鉄網の果てまで来てしまった。しかも乗ってきたのは終電である。時は２３時５０分を回っている。
５時まで待つには無理がある。かといって、ここから歩いて西田辺まで行くには最低６時間かかる。タクシーなんか使おうものなら大変な金額になる。
必要に迫られて歩くことにした。携帯電話を片手にひたすら歩いた。途中、ビジネスホテルを見つけた、ラブホテルも見つけた。しかし金額故、使わなかった。漫画喫茶も見つけたが、まだ行けると思って使わなかった。大阪城公園に着いたとき、ここでなら休むことができるかもしれないと思ってベンチに腰掛けたが、あまりの寒さに休んでなんかいられなかった。
大阪城公園を過ぎたあとは、天王寺に向かって南下した。初めて見る建物に興味を抱きつつも、“つらい”という言葉が重くのしかかる、複雑な心境だった。天王寺まで行けばマンガ喫茶も見つかるに違いないと若干の期待を胸にして天王寺駅に着いた。マンガ喫茶は見つからなかった。
そこにいたのは、今から寝ようとしているホームレス３人。時刻は深夜３時である。こんな時間まで彼らは何をやっているのだろう、と、自分が何をやっているのかわからないまま疑問に思った。
前に見えるのは、タクシー。負けるものかとどこからともなく沸き起こる競争心が、タクシーを遠ざける。しかし、タクシーの前を過ぎて１０メートルほど進んだところで閃いた。
天王寺からなら、１０００円未満かも。
もうタクシーしかないと思い、自宅までタクシーで移動。１５４０円を支払って降りる。