yuhsanさんのブログ
株で生活するには-その3 ポートフォリオ、売り時
買った株は売らないと利益が確定しません。大方の人は買うときに、売りの値段と時期を考えて買います。ところが、値上がりは期待していても、売却を目的としない人もいます。
金融機関とか事業会社などで、支配権や営業上の付き合いで株式を購入する場合がそれに当たりますが、年金、生保などの超長期の運用を目的とする機関投資家の買いも、あらかじめ売り目標を決めて買っているとも思えません。
私の投資法は、生涯投資を続けることで株資産を増やし、配当で生活することを目的とした息の長いものです。したがって買うときに、売値と時期を決めて買わないという点では、年金機関の買いと同じです。とはいっても、買った銘柄を一生持ち続けるつもりはありません。時代に合わせて、銘柄選定の基準とポートフォリオを変える際には売却します。
特に最近のように変化が激しい時代では、買ったときはいい株だったのが、いつの間にか光がなくなり、ただ生きているだけの会社になってしまうことだってあります。持ち株は、絶えず監視してゆかなければなりません。
私の投資法では、投資可能資金(資本金)が1千万円に達したら、それを資本にしてファンドを立ち上げます。ファンドは、
(1) 個人マネーと完全に分離する: リスク管理と運用成績評価
(2) ファンドには現金をおかない: 株で保有し配当金原資にあてる
(3) 配当原資になる株の発掘と保有に努める: 安定して配当金を受け取る
(4) 一相場終了時にポートフォリオの見直しをする: 次の相場に備える
ことを原則に、ポートフォリオを組みます。
ポートフォリオの銘柄数は、10ぐらいに絞る必要があります。これ以上増えると、持ち株が属する業界に対する関心が薄れ、思わぬ落とし穴にはまる危険が出てきます。そのなかから、3銘柄程度をコア銘柄として、株価の値上がり期待と配当取りにあて、残り4~7銘柄程度は、将来のコア銘柄の入れ替え予備軍として保有します。
金額的には、時価総額の3分の2をコアに、残りの3分の1をコア予備軍になるようなポートフォリオを構築します。コアにはもっとも値上がりが期待できる上位3銘柄を選んで構成します。1千万円の資本をこれに当てはめると、650万円をコアに、残り350万円がコア予備軍となります。
さて、銘柄の売却と入れ替えは、銘柄が株価の変動、業績の変化などから、ファンダメンタルに変化が生じたときだけです。基準に合わない銘柄が出てくる背景には、株価の上昇により配当利回りなどの基準が下がってしまうか、業績が低下して算定基準に合わなくなるかです。
通常株価が上がれば利回りは低下しますが、増配すればまた利回りが上がるので問題はありません。ただ、所有している銘柄の株価が上昇して、配当利回りが1%以下にもなって、将来の増配見込みがない場合には売却します。配当利回りが1%以下になるまで買われているのは、それなりの原因があるわけですから、機械的に売るのではなく、出来高などをよく見極めたうえ、高値で売るように心掛けることは大切です。
好業績の結果株価が上がり、配当利回りが低下してしまうのは、その銘柄の選択が間違っていなかったことの証明で、その株はいい株だったのです。反対に、その銘柄の業績が低下して、算定基準に合わなくなってしまったときは問題です。特に減配は、配当を目的とした保有の前提が崩れてしまいます。
この場合、株価はすでに減配を織り込むような形で下げますので、配当利回りはあまり変わりません。配当利回りが変わらなくても、受け取る配当金は減ります。
減配は企業にとっても、経営成果を評価される鍵となりますので、よほどのことが起こらないとしません。まず減配が一過性のものであるかどうか、その原因を突き止めることが大切です。私は企業が減配した場合、多くの場合売却します。無配転落の場合は、理由のいかんを問わず即売却です。
利益確定であろうと、損切りであろうと、売却すれば資金ができます。この資金で残存銘柄の株式を購入して、コアとコア予備軍のバランスをとりながら、ポートフォリオの組み換えをします。新規銘柄の購入は、底値期以外行わないことにしていますので、銘柄数は減少しますが残された銘柄の株は増えます。受け取る配当金は、利回りの低くなったものを売却して、高いものに移しているわけですから、総額は増加します。
私は、銘柄の入れ替えと資金需要の一時的なずれの際には、信用取引を利用していますが、値幅取り狙いの売り買いはしないことに決めています。これにはまり込んで、財産をなくした人を何人も知っているからです。ほどほどでやめておくのは、何をやるにも大切ですが難しいようです。
ただ信用取引は、値幅取り以外に便利な点もありますので、信用取引の口座くらいは持っておかれることを勧めます。何しろネット証券で株式をやっている50%もの方が、信用取引を使っているというご時勢ですから。
一相場が終った時点では、底値期で選定した銘柄がどれだけ売れ、どれだけ売れ残ったかを検証します。通常天井期までに半分程度利確し、下降期に2銘柄程度を損切りして、最終的には3分の1程度の銘柄が残る勘定になります。ただ、売れ残った銘柄については、その理由をはっきりさせたうえで、次の相場に備えてポートフォリオの組み替えをします。新たな株が必要なときには購入し、テーマから外れそうな銘柄があった場合には、損切りになってもポートフォリオからはずします。
以上が、ポートフォリオに組み込まれた銘柄の売却方法と時期です。購入時に売値と損切り目標を設定していませんが、株価が上がり過ぎたときには利益確定し、下がり過ぎたときにはちゃんと損切りもしています。
ファンドの銘柄数が10以内だったら、そんなに頻繁に売買をやる必要はありません。ネットで「儲けた!儲けた!」という人がいたら、「おめでとう。運がよかったね!」と声を掛けてあげましょう。
観点が面白いですね。
勉強に成りました。
コアと予備軍に分ける比率もいい感じがします。
これはもう少し突き詰めると機関投資家やプロが機械的にコンピュータでの売買をしている事の長期スパンでの戦略というようなものかなと勝手に半分理解しました。
青い熊さん
コメントありがとうございました。
おっしゃるとおり、私の投資法は、以前どこかの生保がやっていた方法なのかもしれません。今はその生保ですら、ヘッジファンドに任せて、短期投資に活路を見出しているようです。
私としては、長期波動を1サイクルとして捕らえ、このサイクルで効率よく資本を増やしていく方法なのですが。
基本はいかにいい銘柄を捕まえるか、それに尽きますが・・・。
なかなか理想通りには行きません。
青い熊さんのご発展願っています。
私も同じような考え方で資産運用を行っております。
基本は配当金をいかに安定して得るかですね
へそくりパパさん
こんばんは
コメントありがとうございます。
大型株では、安定した配当は期待できますが、値上がりがあまり・・・
というわけで、配当金と値上がりとをいかに両立させるかですね。