MDRさんのブログ

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ルールを持って取引をするということ

私たちはシステムトレードを推進する活動をしていますが、市場の中にはこの「システムトレード」について様々な考えが存在しています。これはシステムトレードというものの示す範囲がかなり広いためであると考えられます。私たちがこのサイト上で解説してきたような、常に高い確度で取引の期待値を計算し、リスクの管理まで完全に機械的に行うタイプの取引方法は、システムトレードの中でもとりわけ「メカニカルトレード」と呼ばれるタイプのものです。これは最もわかりやすいシステムトレードの一形態ではありますが、高度な処理能力を持ったコンピュータが誰の手にも安価に手に入るようになったからこそ初めて個人投資家にも実現可能となった投資手法と言えるでしょう。
しかし、諸外国ではもっとずっと以前からシステムトレードは行われてきました。コンピュータがまだそんなに発達しておらず、一般投資家にはとても手の届くものではなかった頃からシステムトレードは存在するのです。この時代のシステムトレードはテクニカル分析を基本とし、特定の指標の数値やトレンドラインを判断材料にして取引を行いました。歴史的にはこの方法が用いられていた期間の方が長く、アメリカでシステムトレードと言えばこの方法をイメージする人の方が多いようです。
後者の方法の方がより原始的で、完全に自動化されたメカニカルトレードの方が勝っているようにも見えますが、実際のところは昔ながらのシステムトレードでも十分なリターンを得ることができます。特に、デイトレードでメカニカルトレードを行うためには、リアルタイムの正確な価格情報をタイムラグなく取得し、随時計算を行うことができるソフトが必要になります。しかし、このようなソフトやリアルタイムの正確な価格情報(実はウェブ上で無料で見られるリアルタイムの分足情報、特に為替方面のものは実際の数値から数ティックも異なるようなものであるケースも少なくありません)はまだ個人投資家の手に届くコストになっていません。
このため、デイトレードで利益を上げている方の多くはメカニカルトレードを使っていないというのが現状です。ウェブでよく名前を取り上げられる有名な個人投資家の多くはリアルタイムのデイトレーダーであることが多く、そういう人たちが必ずしもメカニカルトレードを行っているわけではないのです。
しかし多くの個人投資家は他に仕事を持っており、リアルタイムで相場に張り付いているわけにはいきません。この場合には銘柄の選定や投資そのものを学ぶための時間をなかなかとることができず、メカニカルトレードの優位性を生かすことで普通の個人投資家にとっても市場参入のチャンスが大きく増えるとの考えから、メカニカルトレードを推進しています。ただし、ここまで書いてきたように、可能なのであれば完全にメカニカルなトレードシステムでなくても良い、というふうにも考えています。
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