売上、利益の発表に続いてチェックする項目は配当の状況です。
参考資料 → http://www.kabulast.com/4554.jpg
こちらも経営成績と同じく今期の配当予想額と前期の配当が
書かれています。
前期よりも増えていれば利益が増えていると考えられますので
合格ですが、横ばいでも問題はありません。
企業によっては配当で株主に還元するという策をとるより、
利益成長と株価上昇で株主に報いようと努力している企業も
たくさんあるからです。
そして3つ目が今期の業績予想です。
第2四半期までの決算短信であれば中間期と通期の業績予想が、
第3四半期であれば通期の業績予想が書かれていますので、必ず
チェックして前号と数字が変化していないか?を観てください。
この資料の下段では(注)として当四半期における
業績予想の修正有無 : 有 となっています。
前回の決算短信を見てみると配当予想が26円から29円へ増加、
売上高予想は191億円から197億円へ増加、純利益が16億8千万円から
18億8千万円へといずれも増加していました。
売上高も順調ですし、3つの利益ともに同じような伸び率なので、
営業の利益で業績が好調なのも理解できます。
ちなみに決算短信で業績予想が増えていたとしても上方修正を発表
するとは限りません。
その理由には上場企業の開示ルールがあります。
東証やJASDAQのルールでは売上高で10%、経常利益、純利益
などで30%変動する場合に上方、もしくは下方修正を発表することに
なっています。
これらの項目が一定割合以上変動することが予想される場合、
業績予想の修正を開示しなければならないのですが、このケースでは
売上高で3%、純利益で12%ですから発表する必要はないのです。
こういった隠れ上方修正銘柄を探すことは、決算短信を毎回見る以外
にも会社四季報の業績予想欄を見ることでも可能です。
前号と比べて売上が同じでも利益欄が増えているとしたら、それは
明るいニュースですし今後の好材料にもなりえます。
さらに会社四季報では、唯一二期先までの業績予想が出ているため
来期予想に比べて二期先の業績予想が大きく伸びている場合は、
株価にも反応します。
ここまで隠れ上方修正銘柄のポイントを挙げましたが、私なりの
見つけ方は、まず会社四季報をチェックすることです。
気になった銘柄は銘柄コードを書いた付箋を会社四季報に
ペタペタ貼り付けます。
こうすると、最新号が出た時に前号と見比べることが簡単に
なります。
そして、自分の保有銘柄については来期と二期先の業績予想を
ノートに書き写します。
前号と見比べてみて伸びているところは赤字でラインを引き、
下がっているところは黒字でラインを引きます。
こうすると、嫌でも前号の会社四季報と見比べることができるので
隠れ上方修正銘柄と二期先に利益が大幅上昇しそうな有望銘柄を
発見することができます。
企業の売上、利益は順調であるということは決算短信からも十分
理解できますし、あなたが保有するに値する銘柄なのか?
保有を続けていい銘柄なのか?
買い増しをしてもいい銘柄なのか?
という疑問の答えが出てくるはずです。
それでも気になる場合は、さらに過去の決算短信を調べていけば
答えは出てくるはずです。
こういった項目を人よりも早く目をつけて保有しておけば、
最後の株式投資マニュアルの戦略と同じく、将来いずれかの時点で
多くの投資家が気付き始めます。
それを人よりも早く気がつくことが儲けるチャンスに繋がるのです。
他にも、増配発表には上限というものがありません。
1円の増配でも発表となりますので、裏を返せば増配を発表した会社の
業績をチェックしてみることも、要領よく保有銘柄選びを探す方法として
有効ではないでしょうか。