誤って 「罰金30円」 の略式命令 … やり直し裁判に
交通事故を起こして自動車運転過失傷害罪で略式起訴された北九州市内の30歳代の男性会社員について、
小倉簡裁の裁判官が先月、罰金30万円の求刑に対し、誤って 「罰金30円」 の略式命令を出していたことが
わかった。
刑法では罰金を 1万円以上と規定しており、今回の命令は法令違反に当たる。
同簡裁を管轄する福岡地裁小倉支部はミスを認めて男性に謝罪。 判決を修正するため、正式裁判を
開かなければならない。
関係者によると、男性は6月、北九州市内で赤信号に気付くのが遅れて交通事故を起こし、相手の運転手らに
軽傷を負わせたとして書類送検され、9月末に同罪で略式起訴された。
小倉区検は罰金30万円を求刑したが、簡裁の裁判官は10月4日付で罰金30円の略式命令を出した。
男性のもとには同12日付で略式命令書の写しが送達され、その後、区検から30万円の罰金納付告知書が
届いた。 男性が同17日、区検に金額の違いを指摘したところ、区検担当者が告知書を回収。 区検から
連絡を受けた地裁小倉支部の職員も男性に面会して謝罪した。
小倉区検は、同18日に小倉簡裁に正式裁判を請求。 今後は公開の法廷で裁判が開かれ、改めて判決が
言い渡される。
略式命令は被告への通達から2週間で確定する。 誤った確定判決を修正するには検事総長が最高裁に
申し立てる非常上告手続きがあるが、今回は男性が確定前に気付いたため、正式裁判で修正することに
なった。