goodknight1987さんのブログ

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ユーロ圏のソブリン危機と日本の年金制度

直接結びついているわけではないが、
ユーロ圏のソブリン危機の進行過程は、日本の社会保険型年金の歴史と将来を見せてくれている気がする

1.軽負担時代【過去】
現役労働者がたくさんいて、年金受給者が少ない時代
ユーロ圏のソブリン危機初期。ざっとの感覚としては、
・労働者:80%(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、・・・)
・受給者:20%(アイルランド、ギリシャ、ポルトガル)
4人で1人を支える状態。いわゆる「おみこし型」
支えられる

2.中負担時代【現在】
現役労働者が減少し、かつ失業・低収入で年金保険料を払えない人が増加
一方で年金受給者が増加した時代
ユーロ圏のソブリン危機の今。ざっとの感覚としては、
・労働者保険払いあり:55%(ドイツ、フランス、オランダ、・・・)
・労働者保険払いなし:25%(イタリア、スペイン、ベルギー、・・・)
・受給者:20%(アイルランド、ギリシャ、ポルトガル)
2.5人で1人を支える状態。いわゆる「騎馬戦型」よりやや悪化
過去の積立がある間は支えられるが、厳しい

3.重負担時代【将来】
現役労働者がますます減少し、かつ失業・低収入で年金保険料を払えない人が激増
一方で年金受給者もますます増加した時代
ユーロ圏のソブリン危機の将来。ざっとの感覚としては、
・労働者保険払いあり:35%(ドイツ、オランダ、スウェーデン、・・・)
・労働者保険払いなし:25%(フランス、ベルギー、・・・)
・受給者:40%(アイルランド、ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペイン、・・・)
1人で1人を支える状態。いわゆる「肩車型」
現実的に無理


年金制度であれば、負担は将来給付で帰ってくるので、
大きくいえば自分の話。負担しようと思う気にもなる
一方、ソブリン危機の救済は、負担国と救済国が異なる。救済側は負担側より厳しい緊縮財政を行うため、国民負担は負担側より大きいのは当然だが、負担側には何のメリットもない。他人の話。自分に飛び火しない限り負担しようとは思わない

日本の年金制度に対して、本気で自分の年金保険料が将来自分の年金として受給される、と信じている現役労働者は少数派だと思う。制度自体が『受給者の年金』の支払い元が『現役労働者の年金保険料』と『過去の積立からの取り崩し』(+『国民年金の国庫負担』)だから。そう考えると、日本の年金制度もユーロ圏のソブリン危機と同じように他人の話。今年金保険料を払ったところで、自分が年を取ったら年金少ないになりうる

(1)負担者と受給者の比率の推移
(2)負担側の思い
の2点で、ユーロ圏のソブリン危機と日本の年金制度は非常に似ている気がする


どちらも「幸福な将来」が待っているわけではないことは確か

国は「デフォルト」で借金をチャラにすることができるが、年金制度はチャラにはできない
年金受給額を引き下げることで同じ効果はあるが・・・
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