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ウェルズ・ファーゴが海外事業の買収に打って出る可能性も

ブリュッセル(ダウ・ジョーンズ)米金融サービス大手ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)は、ベルギーの金融・保険大手KBCグループ(KBC.BT)のプライベートバンキング部門への買収提案を検討している。関係筋が9日明らかにした。

KBCは、金融危機のさなかに受けた政府からの支援金の返済に当たり、欧州連合(EU)の欧州委員会と合意したリストラ計画の一環として、KBLヨーロピアン・プライベート・バンカーズ部門の売却を義務づけられている。同筋によると、この部門への拘束力のある買収提案は14日まで受け付けている。

KBCは5月、同部門をインドの同族経営の投資会社ヒンドゥージャ・グループに13億5,000万ユーロで売却することで暫定合意していたが、ルクセンブルクの規制当局からの反対で白紙撤回された。

関係筋によると、5月以降に市場環境が悪化したためにヒンドゥージャ・グループの提示額のような高水準の金額を今回再び提示される可能性は低い。コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、アポロ・グローバル・マネジメント(NYSE:APO)、JCフラワーズといった大手の米投資会社も買収提案を検討していると伝えられている。

KBLは欧州でさまざまなブランドの資産運用ネットワークを保有しており、オランダのテオドール・ギリッセン・バンキエルス、ドイツのメルク・フィンク、フランスのリシュリュー・バンク・プリベなどがある。KBLの2010年末時点の運用資産総額は470億ユーロだった。

ウェルズ・ファーゴが買収提案すれば意外な動きだ。同社の米国外での事業規模は比較的小さく、KBLを買収した場合の経費節減に苦戦する可能性がある。

ウェルズ・ファーゴは独自の資産運用部門ウェルズ・キャピタル・マネジメントを保有しており、同部門の運用資産総額は約3,550億ドル。
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