nijさんのブログ

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エリート夫の闇


相場は魔物、だな。http://www.ntv.co.jp/gyoten/oa/110914/02.html2001年、アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランド。閑静な住宅地に住むスティーブンは、妻ジーニーと5歳になる息子ライアンと幸せに暮らしていた。スティーブンの仕事はニューヨーク商品先物取引市場で、原油先物取引を行うトレーダー。一日に数万ドルの利益を得る事もあれば、それを一瞬で失う事もあるような厳しい世界。若くして投資会社で成果を出したスティーブンは、ジーニーと結婚後1995年に独立。ウォール街の一角にオフィスを借り、個人トレーダーとして生計を立てていた。独立当初は銀先物を主に扱っていたが、今が利幅の大きい原油先物市場で勝負し、年間数十万ドルを稼いでいた。また、忙しい合間をぬって週末には炊き出しなどボランティア活動も積極的に行い、家族や周囲の人達から尊敬されていた。しかし、あることからこの状況は大きく変わってしまう。きっかけは世界同時多発テロ。この事件はスティーブンが扱っていた原油市場に大きく影響を及ぼし、これまでの経験が全く通用しない状況になってしまった。仕事がうまくいかなくなり、彼は投資で負け続け、手元資金は底をつき、会員権のリース代やオフィスの賃料も払えなくなり、ウォール街からもひっそり姿を消した。しかし当然、家や車のローンにカードの支払いなど、借金はそのままある。無職という状況ではあったが、彼は自分を信じてくれる家族のために生活レベルを下げるわけにはいかないと悩みに悩んだ。そこで、日々の生活は事務所にいくふりをしてやりすごし、地域のコミュニティセンターや図書館に通い時間をつぶす日々。就職活動も上手くいかなかった。そうして取引所を去って3ヶ月後。行き詰まった彼はとんでもない方法を思いつく。それは銀行強盗だった。彼は図書館に通い詰め、過去の強盗事件を徹底的に分析した。そして捕まらない方法を考えついた。小さな店舗の銀行に狙いを定め、行員のシフトやお客の少ない時間帯を割り出す。また銀行周辺地域の様子も調べる。そしていよいよ決行!車は銀行から歩いて5分ほど離れた駐車場に停める。そして指紋を残さないようグローブをはめると犯行メモを書く。そしてスーツを身にまといビジネスマンを装う。そこから歩いて銀行へ。そして銀行の近くで路地に入り、物陰に隠れ、変装する。最後にコーヒーカップを置き銀行へ向かう。まず「これは冗談じゃない。銃を持っている。50ドル札と100ドル札を用意しろ」と書いたメモを渡す。実際には銃などないが、窓口係はあっさり金を出した。脅せばもっと出すかもしれないが、窓口係が出した数万ドルをもって逃走。わずか30秒の犯行だった。スティーブンの分析だとこのスピードが捕まらない秘訣だった。出来るだけ一目を引かぬよう銀行を出て、着替えた路地へ。物陰に隠れて素早く着替え、あっというまにビジネスマンに戻る。そしてコーヒーを片手に駐車場へ向かう。これで誰が見ても、コーヒーを飲みながら歩くスーツ姿の男が銀行強盗だとは思わない。こうして上手く逃げる事が出来た。警察もスティーブンの思惑通り、手がかりが掴めず犯人を特定できなかった。しかし新たに問題が・・・様々な支払いを済ませると、盗んだお金もあっという間に無くなった。そして彼はまた強盗をする。捕まる訳にはいかないので、また短時間の犯行。上手くはいくが盗める金額は多くはない。そんな彼は月に2度のペースで強盗を行っていた。犯行を重ねながらも理想の父親を演じ続ける生活はとても神経がすり減った。しかしついに2003年11月、逮捕されてしまった。決め手はメモに残された指紋。それが20年前の交通違反で採取されていたスティーブン指紋と一致した。犯行は合計10件、被害総額は6万ドル。ウォール街のエリートトレーダーの転落劇は連日大きく報じられ、全米の注目を集める事になった。スティーブンは全てを自白し、懲役9年の判決を受けた。そして仰天スタッフは、スティーブンの獄中インタビューに成功。ニューヨーク州にあるウォールキル刑務所で彼に会うことに。「もうお金に振り回される生活はやめ、友人や家族との時間を大切にしたい」と彼は語った。そんな彼は2012年の1月に出所する予定だ。
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