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米格下げ懸念、債務上限引き上げられても払しょくできず

ロイター 8月3日(水)4時44分配信
 [ニューヨーク 2日 ロイター] 米債務引き上げ法案と総額2兆1000億ドルの歳出削減策法案が2日に成立したとしても、市場では投資家の米国の「トリプルA」格付けの引き下げをめぐる懸念は払しょくしきれない公算が大きい。

米債務上限引き上げ法が成立:識者はこうみる

 法案の成立により、米国はデフォルト(債務不履行)を回避することができるものの、歳出削減幅は、格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の「トリプルA」格付け維持に必要とみている額の半分でしかない。

 S&Pは7月中旬、米議会が財政赤字削減に向けた意義のある措置を打ち出せなかった場合、3カ月以内に米格付けを引き下げる可能性があると警告している。 

 米国の格付け変更に関する情報をすべて入手していることを踏まえると、S&Pは、債務上限引き上げ法案がオバマ大統領の署名を経て成立した後、直ちに米国の格下げに動く可能性もある。

 バンヤン・パートナーズの首席市場ストラテジスト、ロバート・パブリク氏は「格下げの可能性に関する懸念が広まっている」と述べた。

 フィッチとムーディズはS&Pほど厳しい態度はとっていない。ただ、ムーディーズは米国の「トリプルA」格付けを据え置く可能性があるとしながらも、格付け見通しは「ネガティブ」とするとの見通しも示している。

 米証券業界関係者は、米格付けが引き下げられた場合、米国債利回りは0.7%ポイント上昇し、米国債の価値は1000億ドル目減りするとの試算を示した。
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