欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)との支援条件である財政健全化に取り組む新政権に、一定の時間的猶予を与えた格好。
フィッチはこれまで、ポルトガルの格付けを引き下げるかどうかの決定を7月末までに行うとしていた。
だが同社は、ポルトガルの格付けは引き続き圧力にさらされており、財政赤字削減目標を達成できない、もしくは経済状況が著しく悪化した場合には、格付け見直しの重しとなるとの見解を示した。
ポルトガルの今年の経済成長率はマイナス2%程度と見込まれているが、「国内総生産(GDP)予想をめぐっては著しいリスク」が存在するとしている。
フィッチはポルトガルを引き続き「レーティング・ウォッチ・ネガティブ」としている。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月に入り、ポルトガルの格付けをジャンク級(投機的等級)に引き下げ、追加金融支援が必要になる可能性があるとの見方を示した。これを受け、同国の国債利回りは大きく上昇、財政健全化実施に向け時間的猶予を与えなかったとして、欧州からはムーディーズに対し激しい非難の声が上がっていた。
フィッチ、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はポルトガルの格付けを投資適格級で最も低い「BBBマイナス」としている。