17日のNYは、306ドルという今年最大の下げ。フィラデルフィアの指数が、信じられないぐらい悪化し、景気後退が誰の目にも鮮明になった。バーナンキさんの議会証言への失望もあって、勢いよく下げた感じだ。現在の水準12159ドルは、週足の雲を下に大きく抜けてしまったところ。このあたりで週足遅行スパンが雲とぶつかるので、ふんばってほしいところだが、もしここを下抜けると遅行スパンが雲下限にぶつかる11653ドルあたりが抵抗帯になるだろうか。しかし月足の基準線は割ってしまっているし、ボリンジャーをみると、月足はマイナス2σを大きく下回り、週足はマイナス3σ近辺まで下げ、日足もマイナス3σに接近しているといった形で、強烈な下向きトレンドを示している。政府の減税などが発表されるらしいし、FRBも大きく金利を下げるであろうが、相当なサプライズでもないと、このトレンドを転換することは難しいのではないか。
為替の円高トレンドは、106-7円あたりでうろついているが、まだ日足の転換線よりも下ー円高方向である。アメリカ景気の後退が鮮明になれば、金利が下がってゆくので、結局円高に進んでゆくことになるであろう。
さて、われらの日経平均だが、17日には長い下髭をつけて結局77円戻し13861円。日足の転換線14010円まであと少しであるとはいえ、日足転換線まで回復できるかどうか、はわからない。MACDは、日足は少し下げ止まりつつあるものの、週足月足は下げ続けており、ボリンジャーをみると、週足日足はようやくマイナス2σの内側にはいってきたものの、月足はまだマイナス2σをわっているので、下げの勢いは依然強い。あまりの急落で、当落レシオや移動平均からのかい離率があまりに低い水準になり、自律的な反発をしているにすぎないのではないか。ただし現在の水準は月足遅行スパンが転換線とぶつかっているところで節目になっている。ここで踏みとどまれるかどうかは、極めて重要だ。アメリカの景気対策期待というぐらいしか買い材料がないので、もしもそれがはげ落ちてNYの一層の下げや為替の一層の円高があれば、日経平均はなかなか抵抗できず、下にもう一段さげ、月足遅行スパンと基準線のぶつかるところ、13000前後や月足雲の上限である12600円程度まで下降する可能性は否定できないと思う。
ある大臣が一喜一憂する状況ではない、などといったそうだが、一喜などまったくない状況なのに、無神経すぎる。まるで他人事のような言い分だ。主要閣僚は、無為無策を恥じる様子もない。アメリカの景気対策だけしか頼みがない株式市場というのでは、まるで属国市場といわれても仕方がないではないか。KYもここまでくると、笑い話では済まないで、経済運営の資質を根本的にうたがわざるをえない。