東日本大震災の影響について
＜鹿島工場は4月25日に本格操業を開始予定＞
4月18日に東日本大震災に対する影響の第2報を公表。東西に工場がある鹿島工場は、震災被害が比較的軽微であった西工場（高機能性樹脂など）は3月25
日から順次稼動を開始。一方、東工場（ビーズ法発砲ポリスチレンなど）は稼動を順次再開中。また、塩化ビニル樹脂の設備は復旧作業が完了しており、港湾設
備についても今週末に改修が終わるため、鹿島工場は4月25日から本格操業再開を予定している状況。
＜12/3期予想は前回レポートを据え置いた＞
同社は鹿島コンビナートの主力企業である三菱ケミカルホールディングス（4188）から原料供給を受けていると推測されるため、TIWは操業再開は早くと
も5月20日頃と考えていた。しかし、1カ月程度早くの本格稼働はポジティブ。ただし、原料は同社他工場から輸送する計画のため、コスト増となるだろう。
TIWでは12/3期予想について、操業停止期間が1カ月程度である、震災の復興需要により床材などは需要増となる可能性がある、などから現時点では営業
利益段階で業績が落ち込む可能性は低いと考え、前回レポートを据え置いた。
＜株価は市場平均並の推移を予想＞
株価は市場平均並の推移を予想する。その理由は、震災の影響による12/3期業績悪化懸念がやや薄らいでいることが株価のプラス材料とはいえ、（1）先行
きの状況は依然見極めにくい、（2）注目度の高い太陽電池の収支均衡が遅れているため、利益面の回復水準は依然として低い、などによる。（高橋 俊郎）
