映画ずきのしんちゃんさんのブログ

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どこまでさげるかNY

4日のNYダウは、前日瞬間一服をつけたものの、そのあといきなり256ドルの大幅安で12800ドルとなった。まだ11月26日の終値の安値12743やザラ場の安値12724ドルは割ってはいないが、安値割れが目前の水準である。問題はこの直近安値を守れるかどうかだが、日足でみてもMACDはマイナスへずんずん沈んでおり、ボリンジャーバンドはぐぐっと下へ開いているし、RCIも急降下しているので、よほご意外な好材料がふってこないかぎり、かなり困難なのではないだろうか。
 前から言っているとおり、月足、週足の指標はいずれも下方向を示している。月足のMACDはシグナルとデッドクロスしているし、週足のMACDもゼロラインをきってきている。週足のボリンジャーはしたにらっぱのように開いており、月足も同様の形になりつつある。中長期のトレンドを示すこうした指標が下降しているので、長中期ねらいの買いもはいりづらいのではないか、と思われる。勇気のある買い手がいないのであれば、12724ドルをきれば、次は2007年8月の安値12517のテストにはいる。とはいえこのあたりでとまれば、月足の基準線12429ドルの上なので、まだ反転の可能性が残りそうだが、正直わからない。
 製造業指数に続いて、雇用統計が悪かったということで、個人消費が景気を下支えするという期待が急速にしぼんでいるのではないだろうか。エコノミストの議論を聞くと、どうも1月半ばに発表される金融機関の決算には、サブプライムの影響がかなりでるようで、政府の対策も、結局借り手を保護して貸し手を苦しめるというだけで、効果は疑問ということのようだ。決算などで悪材料が全部出つくしたという感じになるまでは、悪い経済統計がでるたびに、びくびくしてずるずると下げてゆくという展開になるのだろうか。
 アメリカ国債10年ものの利回りもすでに3.8%まで下げているが、MACDをみると、まだまだ下げる勢いにある。しかしこうした金利の低下にも、株式市場がポジテイブに反応していないのは、この程度で、景気を支えられるかどうか自信をもてないからなのかもしれない。とはいえ、金利を市場に先んじてどんどんさげてゆくようなことができるだろうか。原油高がインフレへの不安を高めているときに、FRBがいかに舵をさばくか、注目に値するが、あまりサプライズは期待はできない。
 こうしたアメリカ経済への信頼の低下が、金利差縮小とあいまって、ドル安を加速しているようだ。現在108円台にはいっているが、週足の転換線、基準線も下回っているので、ここで止まるような形にはなっていない。107円を下抜ければ、さらにはるかしたまで下値をさぐらなければならないことになりそうだ。日本の企業は100円でも耐えられるといかいわれているが、たとえそうだとしても、100円で利益がでるといういう実績をみるまでは、なかなかネガテイブな雰囲気を転換することはできないであろう。
 新興国経済の好調が続いているという人がいるが、上海は頭をうっているようだし、そもそもアメリカが転げているときに、アジア市場など新興国経済だけを頼みにしてあがってゆくには、日本の北米依存はまだまだ大きいような気がしてならない。
 こんな状況で、日本の株価があげるのは、しばらくは難しいであろう。相場格言では、落ちている短剣をつかむな、というのだそうだが、NYという長剣がこれから本格的に落ちてくるようなので、おそらく長剣がまず底について音をたてるのを聞き、さらに短剣が続いてそこを叩いて音をたててから、のっそりと拾いに行くのが賢明なのだろうか。

 


 
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