11/2の市場雑感

MDRさん
MDRさん
※この内容はMarket Data Research Websiteに掲載されたものと同じです。

今週の見所はなんと言っても今日、明日と開催されるアメリカのFOMCでしょう。かねてから追加緩和への期待が高まっていて、(日本が緩和策をとったにもかかわらず)ここのところ続いている異常なドル安も追加緩和を前提にした動きです。

市場の期待通りに緩和策がとられればいいのですが、万が一追加緩和が発表されなかった場合や、緩和が発表されてもその内容が市場の期待に満たないものだった場合、緩和を前提に値を保っているアメリカ市場の下落は避けられないでしょう。一方緩和によるドルの価値低下を織り込んで下落を続けていたドルの値段は戻ってくるでしょうから、円は安い方向に推移すると考えられます。こうなった場合の日本市場の動きが読みづらく、円安を手がかりに上昇するのか、アメリカ市場の下落を手がかりに値下がりするのか、現状では判断がつきません。

それでも無理矢理に想像すると、中期的に見た方向性として、日本市場は下落の方向に向かうのではないかと私たちは考えています。円安で伸びるのは輸出関連株ですが、緩和策がとられなければ主な輸出先であるアメリカの株価が下がるということになり、また、アメリカ経済も緩和策がとられた場合ほどの活性化は望めません。確かに一時的には円安を手掛かりに輸出関連株は伸びるかもしれませんが、買い手がなければ円安でも輸出ができませんから、その後の展開は安くなるのではないでしょうか。

今週の予定は、まずここまで書いてきたFOMCが2日、3日と開催されます。また、2日にはアメリカの中間選挙も予定されています。ここで政局不安が発生すればアメリカの株価は下落の方向に向かい、おそらくは日本株もそれにつられて下げることになると思います。また、FOMC明けの4日、5日と、前倒しされた日銀の政策決定会合が開催されます。わざわざFOMC直後に日程を移動してきたことを考えると、アメリカの決定如何では日本も何らかの政策を検討するということでしょうから、こちらも目が離せません。とはいえ、今日銀に打てる手はあまり多くはありませんので、やはりトリガーとなるFOMCが最重要なキーとなることは間違いないでしょう。週の中間に大きな会合が重なりますが、5日のアメリカ雇用統計も見逃してはいけません。アメリカの雇用状況はここ数年の中でも特に悪い状態にあり、長期間失業している人が増えてきています。今回この動きが改善に向かうのか、さらに悪化するのか、今後の景気を占ううえでは外して考えることはできないデータです。

日本は3日に祝日があり、株式市場は休場となります。FOMCはこの日を挟んで行われますので、4日の寄付き動向にはぜひ注目しておいてください。
MDRさんのブログ一覧