ポイント
強い経済指標が続いたにもかかわらず上値が重い展開でした。弱い経済指標がFRBの追加的金融緩和期待を増幅させて、株式市場を押し上げてきたわけですから、強い経済指標に反応が鈍いのは合理的なのかもしれません。長期金利が上昇し、ユーロに対してドルが上昇しています。11月3日に大規模な金融緩和策の発表を控えるにしては、金利も、為替も、株式市場もそれに逆行する動きを見せていることに注目しています。
米国株式市場を振り返る
スタート直後に77ドルまで下げ幅を拡大したダウ平均株価でしたが、すぐに持ち直し10時半頃にはプラスに浮上しました。ただし、その後は上値の重い展開となり、5.51ドル、0.05%の小幅高で終了しました。
ユーロに対して急速にドル高が進んだことが寄り付き直後の低迷の背景であったようです。
8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数が、上昇を予想していたコンセンサスに反して低下したことも影響したと見られます。
しかし、その後は強い経済指標が相次ぎ、マーケットの回復を促しました。10月の消費者信頼感指数はコンセンサスの49.0に対し50.2。リッチモンド連銀製造業指数は事前予想の1に対して5。8月のFHFAによる住宅価格指数は前月比-0.2%の予想に対して+0.4%という具合でした。(「今日のマーケットを振りかえる 10月26日」)
ところが、ダウ平均株価は前日終値を僅かに上回ったところで頭打ちになってしまいました。強い経済指標は、11月3日に予定されているFOMCのQE2(量的金融緩和政策第2弾)には具合が悪いためと推測しています。
それを反映してか、長期金利が上昇して、対ユーロドル高が進んでいます。
VIX指数も1.86%の僅かですが上昇しており、投資家のセンチメントが悪化したことを示唆しています。特に午後2時にかけて大きく上昇したのが気になる動きでした。
このように、ダウ平均株価の動きは気になるところが多かったのですが、日経平均株価への影響という点では、ドル高円安の動きを示唆しているため、大きな心配はなさそうです。むしろ、円高がこれまでの最大の元凶でしたので、プラスの影響に注目したいところです。
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