航空機向け炭素繊維複合材料販売契約は中長期に業績拡大に貢献するだろう
<中長期的な業績拡大の道筋が見えてきた>
短期的には繊維の構造改革進捗により11/3期に続き12/3期も大幅な営業増益が可能と考える。中長期的には6月28日に発表したEADS社と航空機分野の長期供給契約により高付加価値品の炭素繊維複合材料の直接販売を12/3期から開始し、ピーク時の航空機向け売上は現在の10倍となる1,000億円レベルへ拡大する見込み。以上を考慮すると12/3期TIW予想PER12.6倍には割安感があると考える。株価には上値余地があるだろう。
<足元の業績は好調に推移している模様>
会社側11/3期計画は売上高8,000億円(前期比4%増)、営業利益320億円(同2.4倍)。10/3期は高機能繊維とポリエステル繊維の両セグメント合計で151億円の営業赤字であったが、80%程度進捗した事業構造改革により、11/3期は10億円の黒字を達成できそうな状況である。世界シェア 3位で中国市場に強みを持つポリカーボネート樹脂はビスフェノールAなどの原料価格が高止まりしているものの、デジタル家電・OA機器向けなどでは中国市場を中心に需要が根強く、値上げも浸透している模様。主力製品は総じて会社計画線を超える推移であり、回復感が強まっている。(高橋 俊郎)
---------------------------------------------------
コンテンツ提供元 : 株式会社TIW http://www.tiw.jp/
---------------------------------------------------