ぷよすけさんのブログ

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No.545 <中国>G20前に圧力かわす 人民元切り上げへ

中国人民銀行が19日、人民元相場の弾力性を高める方針を発表した背景には、26日にカナダ・トロントで開かれる20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を前に、柔軟姿勢を示すことで、対中貿易赤字が拡大する米国などの切り上げ圧力をかわす狙いがある。ただ、中国は当面、人民元の変動幅を上下0.5%に制限する見通しで、今回の発表による世界経済への影響は限定的との見方もある。中国国内では工場でストが相次ぎ賃金が急上昇するなど、成長への懸念材料も目立ってきており、中国は内外情勢を見極めながら本格的な切り上げを模索するとみられる。

 「国際金融危機が最も深刻な時期に、人民元相場は基本的な安定を保ち、世界の経済が回復するのに大きく貢献した」。中国人民銀行が19日発表した報道官談話は人民元相場を対ドルで固定してきた自国の金融政策を自画自賛してみせた。

 しかし、米国は自国の輸出企業保護だと、批判のトーンを上げていた。中国の談話は切り上げ再開の見返りとして、自国の「貢献」を認めさせる狙いもありそうだ。また、人民元相場の切り上げ再開を明確には約束せず、状況次第で切り上げスピードを遅らせる余地も残した。G20サミットでの人民元問題の議論を見極める方針とみられる。

 一方、雇用回復の遅れる米国では、11月の中間選挙を控え、議会の批判が目立ってきていた。レビン米下院歳入委員長は16日、「我慢の限界を超えた」と厳しく非難。「中国が行動せず、米政府も動かなければ議会が断固とした行動に出るだろう」と制裁法案の審議入りも含めた厳しい姿勢で臨むことを強調した。オバマ米大統領も、G20サミットを前に参加各国に送付した書簡で、中国を名指しこそしなかったものの、「市場メカニズムに基づいた柔軟な為替相場が、世界経済の回復を後押しするために必要だ」と強調した。一方、アジア諸国からも「近隣窮乏化政策だ」と懸念する声が日増しに強まっていた。

 中国は米国の強硬姿勢に対し「人民元相場は中国自身の問題だ」(崔天凱外務次官)と反発。中国共産党機関紙の人民日報も「人民元は過小評価ではなく過大評価されている」との記事を掲載するなど反論していた。

 しかし、人民元問題が焦点になりそうなG20サミット前の発表には一定の外交配慮が働いたことは間違いない。国内的にも、消費者物価指数(CPI)が5月に前年同月比3.1%上昇し、目標の「3%以内」を突破。ドル買い・元売り介入で市場に人民元がだぶつき、資産バブルも深刻化し、切り上げ再開は不可避の流れだった。一方、5月の貿易収支は195億3300万ドルの黒字で、前月の16億8100万ドルの黒字を大きく上回った。中国政府は輸出が急速に回復したため、切り上げ再開による輸出企業への打撃は少ないと判断した模様だ。【北京・浦松丈二、ワシントン斉藤信宏】

 ◇ことば 人民元の切り上げ

 米ドルに対する人民元の価値を高めること。中国は安く輸入できるが輸出競争力は落ちる。ドルや円などの主要通貨は市場取引で為替相場が決まるが、人民元は通貨当局が切り上げ、切り下げを決めている。対中貿易赤字が拡大した米国などが切り上げを迫り、05年に2.1%高の1ドル=8.11元に切り上げ、複数通貨に連動させることにしたが、08年夏以降は人民元を売ってドルを買う介入で事実上為替相場を固定していた。
6月20日9時25分配信 毎日新聞


これは好材料でしょうか??
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