新製品販売が本格化するまで業績反転は期待薄
<製品の新旧交代期>
長期収載の主力製品(自社製品)と新製品(共同開発品ないし導入品)との新旧交代期にあるが後者が前者の退潮を埋めきれず苦戦が続いている。さらに今後、薬価改定や後発品の影響が強まると予想される。この様な状況は09年末発売の糖尿病治療剤グラクティブや申請中のアルツハイマー治療剤リバスタッチの販売が本格化するまであと2〜3年続くと予想される。株価は浮揚力に欠けるが収益力は持続しているので現水準程度は維持すると予想する。
<薬価改定と後発品の影響強まる>
10/3期は前期比0.4%減収、8.4%営業減益となった。抗アレルギー剤オノンカプセル、糖尿病性神経障害治療剤キネダックなどの主力製品が後発品の影響で減収となり末梢循環改善剤オパルモンや新製品の頻尿尿失禁治療剤ステーブラの増収ではカバーできなかった。11/3期も薬価改定や後発品の影響が大きく5.1%減収、19.7%営業減益と連続減収減益となる見込みである。
<連続減益に歯止めがかかるまでは株価は期待薄>
株価は次の理由で当分横ばいと予想する。(1)業績面で連続減益に歯止めがかかる兆しがない。(2)営業利益率は高水準(11/3期予想24.8%)だが、ROEが低い(同5.5%)ため市場であまり評価されない。(3)配当性向は9割近いのでこれ以上の増配は望み難い。(4)しかし、PBRは丁度1倍まで低下したので1株当り純資産が下支えとなる可能性がある。(森田 青平)
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