【味の素】11/3期は次期中計に向け、力を蓄える1年になろう

TIW藤根 靖晃さん
TIW藤根 靖晃さん
<株価は反発しよう>
11/3期計画が2桁営業減益だったことが嫌気され、足元の株価は軟調に推移している。しかしTIWでは、株価は早晩上向きに転じるものと予想する。これは、(1)11/3期の利益が伸び悩む要因の一つは来期から始まる次期中計に向けてのマーケティング費やR&D費などの先行投資負担増である、(2)会社側が必達目標と述べたように11/3期計画そのものが保守的であり期中に上方修正される可能性がある、(3)一連の投資効果により12/3期以降の業績拡大に弾みがつく、と考えるからである。中長期の投資視点では、引き続き海外食品事業の成長ポテンシャルに注目している。
<10/3期は利益面で急回復>
10/3期は前期比57%営業増益、最終損益の黒字転換と利益面での急回復が目立った。為替のマイナス影響はあったが、国内外の食品事業で09/3期に実施した値上げ効果が浸透したことに加え、原燃料価格の低下メリットやコスト削減効果が寄与した。海外食品事業はアジアや西アフリカで好調をキープ、またアミノ酸事業のうち、飼料用アミノ酸は下期にリジン価格が上向いたことで、営業増益だった。
<11/3期計画は保守的と考える>
11/3期の会社計画は前期比5%増収、同11%営業減益となっている。利益面では、先行投資負担の増加や原燃料価格の上昇、為替の円高、などが影響する。但し、飼料用アミノ酸価格の前提が堅めであり、また原材料価格も粗糖価格に落ち着きが出てきたことなどを踏まえれば、保守的な印象を受ける。リスク要因は、急速な円高の進展や飼料用アミノ酸価格の低下、など。(西村 尚純)
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