宮ちゃん◎リーマンさんのブログ

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[人物伝]池田敏雄氏の生と死(2/2)

池田敏雄は1923年8月7日生まれ.1946年に東京工業大学電気工学科を卒業すると直ちに富士通信機製造(現富士通)に入社した.戦後の空白期間を経て,再び計算装置に対する関心が高まったころ,東京都庁統計課では,戦災で焼失したIBMパンチカード統計機の代わりに,山下英男らが開発した統計分類集計機を設置することになり,これは富士通信機製造に発注され,1951年5月に納入された.その後山下英男,を通じて富士通信機製造に株式取引高清算装置の開発打診があり,これを小林大祐の下で池田敏雄,山本卓眞などがその試作開発にあたった.1953年3月に完成した.この装置は,これに続く継電器(リレー)式自動計算機の開発に多くの示唆を与えることになった.

その後,池田はFACOM 100と命名された計算機の設計を担当し,1954年10月にこれを完成させた.この計算機は,日本初の科学技術用実用リレー式計算機であって,内部10進3余りコードを用いる海外には例を見ないものであった.FACOM 100は社内外の委託計算に利用され,人手でやれば2年はかかる計算を引き受け,湯川秀樹の多重積分を3日間で完璧な回答を...
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