ちょいかぶおやじさんのブログ

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藁のハンドル 追記: 余暇時間成長を目指す時代

ヘンリー・フォードの書いた「藁のハンドル」を読み終えたので、「熟練工の落とし穴」以外に、印象に残った点を書いておこうと思います。

①利潤動機には魔物が棲んでいるので注意しろ。利潤動機は、消費者への価格引き上げ、労働者に対する賃金引下げを含み、これらの行為は市場は狭めることから、自分で自分の首を絞める行為なのだ。
②物よりも人が大事。その中でも、時間の浪費が最悪。廃物利用できない点で時間は根本的に違う。最も浪費しやすく最も取り戻しにくいのが時間。
②産業あるいは企業の最終的な目的は、人々にとって頭脳を働かす機会が存在する世界をつくること。朝早くから夜遅くまで生計を得るために働きづめになることをなくすこと。余暇時間の増大が目標。

金融危機後のニューノーマルの時代は、この時間価値が重視されるのではないでしょうか。エコ、エコと叫ばれていますが、時間の浪費を避け、充実した時間を増やすことこそが最重要なのではないでしょうか。生計を立てるための時間の使用比率が低下し、自己充実を図ることのできる時間の比率が増大することこそが、ニューノーマル時代の成長概念なのかもしれません。

ローマ時代の貴族は、午前中に仕事をし、午後は仲間と一緒にお風呂に入って過ごしたそうです。ローマ時代の貴族の生活をなるべく多くの人々が送れるようになるには何が必要なのでしょうか。GDPの規模で中国に追い抜かれたことはあまり重要ではないように思います。一人当たりのGDPの水準と貨幣価値で測ることが適切でないモノやサービスの交換活動のバランスに留意しながら、余暇時間・自由時間成長率とそうした自由時間の充実をサポートする「ライフ充実装備率」みたいな指標を考案していかなければならないと思います。

そのような時代で大きな価値を生み出せるか否かという観点で、日本企業は結構ポテンシャルを持っているのではないでしょうか。お掃除ロボットのルンバがMIT出身の人々に開発されてしまいましたが、新しいことや新しいモノを試す意欲と自由な時間と移動力とそこそこの金力を持っているのは、日本の若者世代と引退世代です。これほど充実した需要は世界でも突出しているのではないでしょうか。

こうした粋な需要を喚起する工夫や仕掛けを考えるのが、バラマキになりがちなケインズ政策ではなく、本当の意味での「第二のケインズ革命」の第一歩になると考えます。カネの循環をもっと良くする、というだけの政策はとうてい第二のケインズ革命にはならないのではないでしょうか。

地域住民へのサービスを提供した人々に県や将来の州が地域通貨で支払いを行い、県や州の財政支出の軽減幅に連動する形で、地域通貨と円との交換レートを決定しつつ、地域内では地域通貨での決済をなるべく促す、などを行う、しかも、その地域通貨は一定の期間が過ぎると通貨としての価値が消滅するように設計しておく、といったやり方もあるのではないでしょうか(地域主権とはこのようなことを自由に行えるようにする、ということです)。こうした地域通貨をベースにすれば信用創造は困難になれいますので、こうした地域通貨発行が資産バブルにつながるリスクは低く抑えられるのではないでしょうか。円をベースにした信用創造と利益最大化原則に基づく経済循環と貨幣価値ベースのGDP経済成長ではなく、縁をベースにした信頼と感謝創増と交換行為に伴う充実感増大原則に基づく生活循環と余暇時間成長を実現する仕掛けを考案・実験する必要があると思います。そのような社会インフラ・システムを世界に先駆けて整備できたら、海外市場に売り込むのではなく、海外市場に対する「待ちの営業」で、昔ながらの意味での国際競争力も発揮できるようになるのではないでしょうか。
1件のコメントがあります
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    娥さん
    2010/4/17 11:46
    こんにちはヽ从癶。癶从ノ⌒☆

    トイプードルが可愛いわ(癶o癶*)

    >ライフ充実装備率

    うちもワンワン飼ってるけど
    お散歩にいけない日もあるのよね。

    ワンワンのライフ充実装備率が下がらないようにお昼にお散歩につれていきます
    (癶o癶*)
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