昨年12月に値下げが相次いだ牛丼チェーンの勢いが早くも“失速”した。
12月7日に、牛丼並の定価を50円引き下げ、280円にしたゼンショー傘下の「すき家」が10日発表した1月の既存店売上高は前年同月比2・2%減少。
12月3日に60円下げて定価を320円とした「松屋」の既存店売上高も4・4%減と前年実績を下回った。
値下げによる客単価の落ち込みを客数増でカバーしきれない牛丼チェーンの苦境が浮き彫りとなった。
すき家の既存店の客数は12・6%増、松屋は4・5%増とプラス。だが、客単価がすき家で13・1%減、松屋で8・5%減とそれぞれダウンした。また、1月11日から牛丼並価格を11日間の限定で80円値引きするキャンペーンを展開した「吉野家」の既存店売上高も前年同月比13・1%減となり11カ月連続で前年実績を割り込んだ。期間中は客数が2割増えたが、キャンペーン期間前の“食い控え”と、期間後の“食い飽き”という副作用が出た。