あおぞら郵船さんのブログ

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2/7 米国における医療保険制度改革について

【取引銘柄】
(買)第一三共 300株 1,823円
  
【ポートフォリオ】
・第一三共 300株 1,889円→1,811円 -24,500円
・第一三共 300株 1,823円→1,811円 -4,700円
 
(含み益-29,200円 実現益+0円 余力80万円)
 
年初からの上昇相場が明確に終わった感がありますね。
ギリシャ、ポルトガル、スペインなど欧州各国の財政問題の表面化でソリブン・リスクがクローズアップされたことを受けて、米市場が大幅下落し、一時、ダウ平均が1万ドル割れ、日経平均も1万円割れ寸前まで急落しました。
先日の「ドバイ・ショック」の再現とも言われていますね。
ドル円相場も1ドル89円台まで急落して推移しています。
 
私の方では、“落ちるナイフ”に手を出してみました。
相場の方向性はまったく先が見えない状態であり、正直、押し目買いのタイミングが早すぎた感は否めませんが、ここからさらに下げるようであればまた塩漬け覚悟ですね。
私のお決まりのパターンとして、
①割安になるのを待って押し目買い→②押し目を突き抜けてさらに下落→③含み損発生→④塩漬け生活→⑤じきに相場が好転→⑥塩漬け脱出
こういうパターンとなっています。
⑥の塩漬け脱出時に1~数万円でも利益がもらえれば、と考えているのですけどね。
 
◇米国における医療保険制度改革
 
世界の医薬品市場は、全体の40%以上を米国が占め、20%以上を欧州が占めています。
国民皆保険制度が定着している日本に住んでいる者としては想像し難いですが、
米国においては、高齢者と貧困者向けの医療保険制度としてメディケア(高齢者医療保険)とメディケイド(低所得者医療保険)は存在しますが、国民のほとんどは民間の保険に入っています。
これにより、保険加入率は全体の83%程度であり、医療保険に入れない無保険者がおよそ15%存在し、病院で高額な治療費を支払えないという事態が社会問題となっています。これを取り上げた映画がマイケル・ムーア監督の「SICKO」です。
 
この医療保険制度の不備を解決しようと歴代の政権が取り組んできましたが、ことごとく失敗に終わってきました。
しかし、オバマ大統領はこの問題を内政の最重要課題と位置付け、医療保険改革法案は下院可決、上院可決をすでに果たしており、上下両院の法案の統合と再可決を残すのみとなっています。
これは米国における歴史的な出来事になりますが、やはり保険業界および保守派からの激しい抵抗を受けており、支持率低迷の原因の一つとも言われています。
 
さて、実際問題、この医療保険制度改革とはいかなるものか、肝心のその法案をネット上で探してみましたが、見つけることはできませんでした。
報道各社による概要をまとめてみると、以下のような方向性のようです。
 
・国民の保険への加入を義務付ける
 
・下院案では公的医療保険制度の創設を盛り込んだが、上院案では創設は見送り、その代わり、補助金の支給等による民間保険への加入の促進を中心とする。
 
・メディケア、メディケイドの適用範囲を拡大する。
 
・この計画にかかる費用は10年間で約1兆ドル(約90兆円)
 
・そのための財源として、医薬品企業に全体で800億ドル(7.2兆円)の負担を課す。
医療機器企業に全体で200億ドル(1.8兆円)の負担を課す(ただし、実施時期は11年度に延期)
病院に全体で10年間で1550億ドル(14兆円)の補助金削減を課す。
 
年収35万ドル以上の高所得世帯に対し、1~3%の税金を課す。
 
・バイオ医薬品の独占販売期間を12年とする。(通常は5年。日本は通常で5~10年)
 
・ロイターの記事
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-13066420091222

・BizPlusの記事
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/forbes.cfm?i=20090817dj000dj

 
今回の医療保険制度改革が、富裕層および大手企業への増税を前提としていることには驚かされました。
たしかに、これでは国民から嫌われるのも仕方ないと言えるでしょうね。
もっとも、民主党の支持基盤は労働者であることを考えれば、その方向性としては間違っていないともいえると思います。
 
一般論として、日本の医薬品企業は、公的な国民皆保険制度のおかげで収益を確保することができていた、といえると思います。
これに対し、米国では民間保険中心主義であり、保険会社は加入者の医療費を監視し、より安価なジェネリックを使用することを義務付けている所もあるそうです。このことから、米国でジェネリックが発売されるとわずか半年間で一気にシェアを奪われることになる、という現象が起きます。米国のジェネリック普及率は63%に上りますが、日本ではいまだ約13%です。
つまり、米国でも医療保険制度が拡充されれば、その分だけ医薬品企業にはプラスになるといえると思います。ただし、医薬品業界全体で800億ドルの負担を課すということですから、上のロイターの記事でもあるように、プラマイゼロという感じでしょうかね。
 
ここで注目すべきことは、医療機器企業への200億ドル(1.8兆円)の負担を11年度まで延期することと、バイオ医薬品の独占販売期間の設定でしょう。
これらは、医療機器企業とバイオ医薬品企業にとって朗報です。
もしかすると、医療機器大手のテルモが、最近、爆上げをしていたのは、これが理由だったのかもしれませんね。
テルモは信頼できる優良企業ですが、さすがに割高なのに上がり続けているのはどうしてかなと考えていたのですが、この件が理由であれば腑に落ちる気がしますね。
あとは、「心筋再生事業」や「人工赤血球」などの大きな材料もありますけどね。
 
 
「節分天井、彼岸底~?」
 



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