3Q決算:経営努力と需要回復が結実したポジティブな内容
<3Qは力強い回復を示すポジティブな内容>
10/3期3Q(10-12月)業績は、売上1,381億円(前年同期比4%減)、営業利益87億円(前年同期は19億円の赤字)。2Q(7-9月)との比較では10%増収、営業利益は約3.5倍。主力のIABやEMC部門の営業利益率が5四半期ぶりに2桁を回復した他、AEC部門も5%台を記録するなど力強い内容でポジティブ。現在の株価は来期TIW予想PER22倍台で割安感は見られない。しかし、足元は中国の生産回復の好影響が顕著で、来期は構造改革の効果や出遅れていた地域・分野の回復も加わり大幅増益の確度が高まっており、株式市場でも収益モメンタム加速を当面織り込む展開が予想される。
<固定費削減効果が顕著に現れた>
今期の中国売上は期初の段階では、前期比20%減の603億円の見込みであったが、同3%増の774億円となる見通し。中国は過去数年間でネットワークの充実したことに需要急回復が相俟って、成長の軌道に乗りつつある。同社は3Qまでの9カ月で520億円の固定費を削減、通期での削減額も従来計画を上回る570億円に積み増した。EMCやAEC部門の売上水準はリーマンショック前より低い水準ながら、営業利益率と額は両部門共に既に上回っている。費用削減効果が順調に効いており、来期売上回復に伴いもう一段の収益改善が期待できよう。リスク要因は、設備投資の抑制、原材料価格の高騰、価格下落の加速、中国情勢の悪化、為替など。(服部 隆生)
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