3Q決算はポジティブな内容。株価にやや割安感も出てきた
<会社側は通期見通しを再度上方修正>
10/3期3Q(10-12月)業績は、売上399億円(前年同期比25%増)、営業利益12.9億円(前年同期はほぼゼロ)。2Q(7-9月)との比較でも3%増収、34%営業増益。通信インフラや産業機器向けなどの半導体需要が想定以上のペースで戻っており、ポジティブな進捗。会社側は今期2度目となる通期予想の上方修正(営業利益20.3億円→27.5億円)を発表したが、4Q(1-3月)見通しが依然やや堅めの印象で、もう一段の上ぶれ余地もあるだろう。現在の株価は来期TIW予想PERが14倍台で、やや割安感が出てきたと考える。
<台湾の半導体商社へのTOBを発表>
2Qと比べ3Qは粗利率が改善したが、製品ミックスの向上(台湾液晶パネル向けASICの減少の一方で採算性の良い通信インフラや産業機器向けPLD等が伸長)が背景とみられる。同社は1月12日、台湾半導体商社の株式をTOBで取得すると発表。持分が50%を超え、子会社化の可能性もあるとしている。世界の電子機器市場は台湾で設計、中国で生産のケースが多く、デザインインの段階から台湾の成長企業に参入できるメリットは大きい。来期の産業機器は既に回復してきた車載や鉄道向けに加え、半導体製造装置向けもようやく回復色が強まろう。買収したCytech社とのシナジー発現が加速し、来期も増収増益基調は維持できるとみる。
リスク要因は半導体の需給バランスの変動、特定取引先への依存、仕入先の代理店政策の見直し、為替など。(服部 隆生)
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