費用先行と新製品の遅れにより好業績の持続は困難か
<特許満了への対応策に目処>
売上高の約6割を占めるアルツハイマー治療剤アリセプトと抗潰瘍剤パリエット/アシフェックスの特許満了へ対応策を急いでいる。新製品の開発、米社のM&A、他社製品の買収等により解決の目処は付きつつあるが、費用が先行することと既存品の減収と新製品による増収の間にラグ(遅れ)が生ずることから従来程の好業績は維持できないと予想する。株価は、円高の進行や業績予想の修正が影響し、短期的には現水準を下回る可能性が強いと予想する。
<米バイオベンチャーのアカラックスを買収>
今般米バイオベンチャーのアカラックスを約227億円で買収した。血小板減少症治療剤AKR501の開発を進める。乳がん治療剤エリブリン、敗血症治療剤エリトラン等の新製品、MGIファーマ社の買収、モルフォテック社の創薬、他社製品の一部地域での販売権取得、主力2製品のライフサイクルマネジメントにより特許満了への戦略は一段と強化された。
<バリュエーションに割高感>
アカラックスの買収に伴い買収額相当を研究開発費に計上するため10/3期利益を下方修正した。TIWは円高の進行如何ではさらなる下方修正もあり得ると予想し、現株価の持続は微妙と見ている。予想PERなどのバリュエーションも同業大手と比べやや割高感がある。(森田 青平)
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