先週書いたあと、こんなことを思ったわけですよ。オジサマと話していると(まぁ自分も42ですから十分オジサンなんですけど)ドラッカーの言うところの企業の価値は顧客の創造というのが、感覚的に呑み込めていないというか、呑み込めていない、イメージができないってことを感じたわけですよ。例えば某空港会社に務めていて、飛行機を設計している人がいます。その人は、「飛行機を使えば空を飛んで外国へ行くことができる」ということが当然理解出来ていると思います。そのままの状態で突然江戸時代にあなたはタイムスリップしてしまいました。飛行機を作るために必要な設計図、各種資料や本をたくさん積んだ車ごと江戸時代へリープしました。江戸時代の人は興味津々、未来からやってきたあなたに質問を浴びせまくりです。で、江戸時代の人にあなたは言います。「100年後の世界では人は飛行機というものを発明して、外国まで飛んでいくことができるのです」言葉で説明したり、図面や写真も見せて説得します。江戸時代の人はへぇーと感心してそうなんだと思います。でも、概念として「飛行機で空を飛ぶ」というのを実際に見ることができません。感覚的に飲み込めたとは言えないのです。自転車の乗り方を書いた本を何回読んでも、実際に自転車にのって見なければ、乗りこなすことはできません。「顧客の創造」も似たようなものだと思うのです。「パイ」っていう言葉の概念は人によって違うのだなーと思うのです。どういう説明の仕方がわかりやすいだろうか?自転車に乗れる人にとっての「自転車」と自転車の実物を見たことがない人にとって「自転車」というものは、たとえ同じものであっても、それは違うもので、経営の現場にいて、実際に「顧客の創造」をした人と書籍やあるいはテレビや人の話だけで「顧客の創造」を知っているだけの人あるいは、言葉面だけで「顧客」「の」「創造」と理解している人では、「顧客の創造」について論じていても、たぶん議論はかみ合わないし、平行線のままなんだろうな、と思うのです。で、それはもう埋まらないし、絶対に交わらないの。でまぁ、どっちかがどっちかを駆逐するのですが、さて、どうなることやらと、そんなことを考えながら師走の忙しさなわけです。