産業ガスセクター☆大陽日酸・エアウォーター・日油

月とスッポンさん
月とスッポンさん
セミナーまとめです☆

1.業界特徴と再編の変遷

・業界再編が終了しており安定的である
・基本的に内需産業であり、鉱工業生産指数と連動した業績となりやすい
・装置産業であり、また、物流整備が必要である

2.産業用ガスの供給方式と販売推移

・大規模・・・空気を分離してガスを製造するプラントから、パイピングにより直接顧客ガスを供給する
⇒一度設置すると企業と10年~15年での長期契約するため収益は安定するが利益は比較的厳しい。
・中規模・・・タンクローリー車を用いて直接液果ガスを配送する。
・小規模・・・シリンダー(ガスボンベ)で供給を行う。容器・設置などの物流コストがかかる


3.エアセパレートガスのシェアと用途

・価格は安定化
・金額ベース  窒素・酸素・・・3000億程度  アルゴン・・・550億程度

4.主要企業ポイント

【大陽日酸】・・・世界5位。産業ガスメジャーを目指す

・機器装置の遅れが目立つ

注目点)
①北米事業の強化
NASDAQ上場会社で米独立系工業ガス最大級のディストリビューターVNG買収
⇒米国市場は安定的に成長しており、同社にとっては成長ポテンシャルが高い地域
⇒これまでの空白地帯に参入、その他のローカルディストリビューターの商圏確保の可能性大
⇒安定的な成長とガスメジャーへの確実な布石
*10/3期DEレシオ1.4倍(前期は1倍程度)と上昇するが成長機会のために買収を決定

②ヘリウムメーカーポジション
・特殊ガス事業およびヘリウム充填所の建設を含めたヘリウム事業の拡大
⇒ヘリウムは全量を輸入に頼っている(主要輸入元はアメリカ)
⇒半導体、光ファイバー向けに需要は比較的旺盛
⇒ガスメジャーを目指す同社には拡大チャンス(06年には旧BOCの持つヘリウム事業のうち米国、ロシア、オーランドの権益を買収済み)

③独エボニックデグサジャパンとモノシランの共同生産事業によるメーカーポジション

④白色LED(蛍光灯分野)の市場拡大に沿ってMOCVD事業拡大期待
・MOCVDまたは有機金属気相成長法ともよばれる。さまざまな物質の薄膜を形成する。化合物半導体を製造するための装置

MOCVDが期待される理由)
・白色LEDの伸びに合わせて成長見込み(白色LEDに注力する国内企業への拡販可能性が高いと予測)
・主要企業は3社、世界シェアは20%程度、国内シェア85%程度とみられる
(MOCVD売上高は10/3見込みいで装置約25億円、関連製品約50億円の75億円程度見込み)(競合は独AIXTRON社、米Veeco社などおであり、装置の2008年世界市場は400億円強と推定)

・参入障壁が高く市場成長の恩恵を受ける
(高度なガス制御技術が必要、アルシン、フォスフィンといった毒性の高いガスを使用)

【エアウォーター】・・・国内主要顧客とのコミット強化と多角化

注目点)
①高炉・エレクトロニクス関連で優良顧客とのコミット強化
⇒オンサイトプラントにより安定的な収益の確保

②VSU(小型液化酸素・液化窒素製造装置)による地域ビジネスの強化
⇒医療用ガスの配送合理化にも貢献

③国内最大手の医療用ガスおよび周辺分野注力と多角化

医療用ガス)
・会社側10/3期業績予想では5セグメントの中で医療関連のみが唯一増収増益を見込む。1Qの業績も牽引
・薬事法で「医療用ガス類」として定められている医療用ガスのトップサプライヤーであり、市場シェアは30%程度と推定

医療機器:人口呼吸器、循環器分野
病院設備工事:高度医療設備工事対応
在宅医療:新型器の投入
⇒製販一貫体制と周辺事業強化、合理化によおり事業は堅調に拡大

多角化)
・2000年からの積極的なMAにより多角化
・07年9月国内製塩業トップメーカー日本海水をグループ化。子会社タテホ化学工業のマグネシア事業とのシナジーに期待
・相模ハム子会社化、食品事業の強化
⇒連合経営に強み(失敗の少ないMA)ノンコア事業で着実に事業拡大。シナジー効果と合理化余地あり。

5.技術的有望企業

日油

①ライフサイエンス事業:MPCポリマー(製品名:リビジュア)
・生体適合性素材、ヒアルロン酸の3倍の保湿力がある
・用途はハードコンタクトレンズの洗浄液、ソフトコンタクトレンズの消毒液など、今後は化粧品原料などにも期待される
・高付加価値品であるが、他社にマネができない高品質のため単価下落影響がない模様
②DDS事業:EO,PO誘導体、油脂製品の膿瘍
・ドラッグデリバリーシステム
・この製品は医薬品の生物活性、副作用、病巣へのターゲティング、化学的安定性などを調整、体内の必要な場所に必要な量を必要な時間だけ作用させ、医薬品をよりこうかてきに使用するうことができる。
・DDSにより、これまでP1,P2などで中断した創薬候補を再生させる可能性を秘めている。

③電材事業:グラフトポリマーに注目(今期中に上市予定)
・道との密着性がよく、電波感度がよい
・1M程度しか飛ばなかったRFIDの電波が同素材湿布により7M飛ばすことができる
・検品作業の省略化や貴重品管理、トレーサビリティなどの応用が見込まれる

4.その他材料視される事業
①ゲル型Li電池用難燃性電解質材料
・10/3期中に上市予定
・ゲル状にすることにより従来品と比べて使用温度域が広い、引火性が低くなる、軽量化、の特長をもつ
・販売先としては産業用、家庭用蓄電池用途を狙っている。同社は5年後のゲル型Li電池用難燃性電解質材料の市場規模を80億円と見込んでいる

②インフルエンザワクチン:DDS事業の一部
・従来のワクチンとの違いはウイルスが変異しても効果が持続する点
・現時点ではマウスによる実験を行っている模様。治験へは3年程度先を目標としている
・国立感染症研究所、北海道大学、埼玉医科大と共同研究。同社役割は素材提供

☆あたし個人的には星医療酸器なんか気になります~^^
6件のコメントがあります
1~6件 / 全6件
ルーランさんこんばんわ☆

銘柄コードの入力ミスでたまたま見つけたんですけど、なかなか興味深いので、調べてるんですが、なんせ情報が少ないです^^;

>医療用のガスで首位

医療用ガス分野がどれくらいの成長性があるのか、よくわかりませんでした(;;)

財務内容はオッケーのような???
(退会済み)
星医療酸器(7634)ですか、私も気になってますので

ちょっと調べてみます。

秋号の四季報で見たら医療用のガスで首位になってますね。
ルーランさんこんにちわ☆

>知らないことがたくさんあって非常に 勉強になりました。
>知ってることは、アルゴンガスは太陽電池の洗浄用に
需要が伸びていますが生産しているエアウオーター、
太陽日産とも、設備を更新しないので不足気味になって
います。

いえいえ、十分お知りになってるかと思いますが、、、(笑)

ルーランさんもはっぴいえんどさんも、本当に幅広い知識をお持ちなので、勉強になります*^^*

あたしはこのセミナー内容半分くらいしか理解できませんでしたが、、、(汗)

半導体分野とかハイテク関係はさっぱりです ><

ところで、星医療酸器についてはどう思われますか?
在宅用医療ガスならなんとか理解できたので投資を考えてるのですが、、、

なんせ出来高が少なすぎて、、、
はっぴいえんどさんこんにちわ☆

すごい、去年の今頃から目をつけられてたのですね~

あたしは最近この銘柄を知りました^^;

>四季報を見る限り、4091大陽日酸より同業他社である4088エア・ウォーターの方が上がりそうな気がするのですが?

あたしもエアウォーターのほうが気になります^^

でも、100万以上でないと買えないので、今投資するにはちょっとリスクがあります(高くて買い増しできないので、、、) 50万円以下で投資できる銘柄が投資対象ですので、残念ながら投資対象外なんです(;;)
(退会済み)
今晩は、知らないことがたくさんあって非常に
勉強になりました。

知ってることは、アルゴンガスは太陽電池の洗浄用に
需要が伸びていますが生産しているエアウオーター、
太陽日産とも、設備を更新しないので不足気味になって
います。

DDSは久光製薬が米Noven社を買収して今後事業展開を
急ぐ話があります。

リチウムイオン電池の電解質は現在は液体が主流になって
いますが、固形型も開発が進んでいますね。

液体は発火や液漏れのリスクが指摘されています。
固形は伝導性が低いのが欠点と言われています。
思惑さん
大陽日酸とエアウォーターについては思い出があります。

http://minkabu.jp/blog/show/87518

業界に詳しい人の意見は、正しいことが多いからどちらにするか迷ったときは、従うこともいいことだと思います。
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