【東日本旅客鉄道】10/3期の会社計画を据え置きだが…

[TIW藤根 靖晃さん]

10/3期の会社計画を据え置きだが弱含みの可能性

株価はやや軟調な展開である。市場全体の物色のシフトに加えて、10/3期通期計画に対する下振れも懸念されているようだ。ただし指標面で見れば、10/3期1Ｑ（4〜6月）ベースの実績ＰＢＲは1.27倍である。悪材料は織り込んだと考えられ、ほぼ妥当な水準だろう。

10/3期1Ｑは減収減益だった。運輸業、非運輸事業ともに景気悪化、高速道路料金割引制度、新型インフルエンザなどのマイナス影響を受け、鉄道運輸収入は計画を下回った。10/3期通期については会社計画を据え置いた。新型インフルエンザの影響を除けば、1Ｑの鉄道運輸収入は計画に対して微減であり、通期では挽回可能としている。ただし2Ｑ（7〜9月）以降、急速に回復する可能性は小さく、会社計画に対して弱含む可能性に注意が必要だろう。

中期的には、駅と鉄道ネットワークという経営資源を活用した非運輸事業の拡大トレンドに変化はなく、財務面でも長期債務の着実な削減が期待されるだろう。

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