夏休みの期間を利用し、東京証券取引所では
小・中・高校生を対象にマネー教室を実施して
います。「私たちの暮らしが“経済”や“株式
会社”とどのように結びついているのか」を学
ぶ場となっており、毎回盛況です。
小さいうちから正しい金銭感覚を身につけ、
長期的な資産形成の考え方に触れることは貴重
な経験です。一方で、投資をギャンブルやゲー
ム、射幸的なもの(努力をせずに偶然の利益や
成功をねらうこと)として捉えてしまわないよ
うに気をつけなければいけません。
ところで、司馬遼太郎がその著作で次のよう
に述べていたのが印象に残ります。
「サラリーマンたちの70パーセント以上は祖
父の代まで、太陽の下でスゲ笠をかぶりながら
畑の草をとっていた。たった二代で大変化をお
こしたこの社会で、われわれはわりあい平気で
生きているというのがこっけいなほどだ・・・」
会社勤めがこれほど多くなかった時代には、
家業があったり、農家や職人であったり、子供
たちの多くは親の背中を見て育ってきました。
自然と仕事の厳しさや尊さを理解し、稼ぐとい
うことの大変さとお金の大切さを肌に刻んでき
たように思います。
今の子供たちの多くはそのような環境にはあ
りませんが、是非そういったことも身につけて
ほしいものです。