徳は、事をなす基礎となる  4

富貴名誉の、道徳より来る者は、山林の中の花のごとく、

おのずからこれ舒徐繁衍す。

功業より来る者は、盆檻の中の花のごとく、遷従廃興あり。

もし、権力をもって得る者は瓶鉢の中の花のごとく、その根植えざれば、

その萎むこと、立ちて待つべし。


(徳望によって得た富や名誉は、野山に咲く花。自然に根を張り芽を伸ばしてくる。

功績によって得たものは、鉢植や花だんの花。他に移されたり、捨てられたりする。

権力によって得たものは、花びんにさされた花。根がないので、たちまちしおれて

しまう)


引用  菜根譚を読む 著者 井原隆一
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