誰もが気づき始めた時には、やはり“もう遅い”

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
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【本日のニュース】/米シティ、6四半期ぶり黒字転換
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米大手銀シティグループが17日発表した1―3月期決算は、最終利益が15億9300万ドル(約1600億円)となり、6四半期ぶりに黒字に転換した。前年同期は約51億ドルの赤字だった。超低金利政策などにも支えられ、信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の証券化商品など証券部門の損失が減少した。


粗利益に相当する純営業収益は、247億8900万ドルで前年同期の約2倍。10―12月期からは4倍超に増えた。証券化商品やデリバティブ(金融派生商品)から生じる損失が22億ドルと、10―12月期の7分の1に減少。証券・投資銀行部門の収益が改善した。


個人向け業務は悪化している。クレジットカード事業は前年同期比で66%減益。住宅ローン、消費者ローン事業は赤字になった。不良債権が増えたにもかかわらず、貸し倒れに備えるための引当金の計上を前の四半期に比べて減らしており、利益を押し上げた面がある。


(2009/04/17日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】誰もが気づき始めた時にはやはり“もう遅い”
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。


本日は、週末特別号でお送りしています。



■今週は、米ゴールドマン・サックスを皮切りに、金融機関の業績発表が続いています。


昨日は、シティグループの決算に注目が集まりました。


大方の赤字決算を裏切り、結果は黒字化。多くの金融機関の業績が改善していることが、改めて明らかになりました。


■しかし、株価はどうか。


業績が大きく黒字化したにも関わらず、株価は大幅な“下落”となってしまったのです。


※Citigroup Inc. (Public, NYSE:C)

http://www.google.com/finance?q=c 



■昨日(09年4月17日付)の当メールマガジンで、こう書きました。

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これは、業績が好調であるということだけでは、もう株価は動かないことを株式市場は私たちに語りかけてくれていると言えます。


3月10日(米国現地時間)にあった、米シティCEOパンディット氏の発言、「シティグループが1-2月期に黒字となった」に着目し、株価が上昇すると私が当メールマガジンで【緊急特別リポート】の告知をしたときには、金融機関が業績改善するということはもちろん、それで株価が上がると考える投資家はほとんどいなかった。


だから、株価は急騰した訳です。


しかし、今や金融機関の業績が改善し、そして、改善すると株価が上がるということに誰もが気づき始めました。


株式投資は、誰もが気づき始めたときには“もう遅い”と感じるぐらいがちょうどいい。

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■昨日のシティ決算と株価の関係は、指摘した通りとなったわけです。


では、株価はこのままズルズルと下落してしまうのか。決してそんなことはありません。


重要な点は、“金融機関の業績改善”が第一波動の上昇局面だとすると、第二波動、第三波動と続くイベントは一体何になるのか、そして、それはいつ起こるのか、という点。


私は、年内には日経平均株価は1万円を回復、場合によっては、12,000円、14,000円と上昇していくと考えています。


現在は、大きくジャンプするためには、しゃがまなければならない、というタイミングを待つ、というイメージが分かりやすいでしょう。


株式投資はいつ投資してもいい、というわけではありません。長期で持っていればいい、という単純なものでもない。


経済のうねりに真剣に向き合い、何が起ころうとしているのか、必死になって頭に汗をかく投資家にだけしか、リターンを望むことは難しいでしょう。


いまは、第二波動、第三波動について、仮説を構築していく段階。いつまでも金融恐慌の悲観論に振り回されている場合ではない、と考えます。



(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)

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