ユリウスさんのブログ

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100年に一度の危機は……

 自民党の幹部は二言めには、「今は百年に一度の経済危機」とおっしゃる。それはそうかも知れません。そうでしょう。が、もっとはっきりしていて、もっと恐い危機が目の前にあります。それは「今、百年に一度の政治危機」です。政治が信を失い、何も決断できなくなっている状況ほど、国民にとって恐いことはありません。
 
 
 翔年が愛読する塩野七生さんの『ローマ人の物語』の文庫本32,33,34巻は「迷走する帝国」という副題がつけられています。現在のわが国を考えるのにふさわしい、エピソードや塩野語録に満ちています。

その塩野語録をピックアップしてみます。

1 「権力者は、たとえ憎まれようとも、軽蔑されることだけは絶対に避けねばならない。」
→ 麻生総理は漢字が読めない人と国民に思われた時、すでに痛手を負っていたのです。それ以後も、度重なる失言や前言撤回(いちいち書くと長くなるから止めます)など、国民の失笑をかっている。その上にもっと大きな目に見えない失策を重ねているのです。それはは総理として、先を見通す力の不足と決断力の欠如です。

 麻生政権発足時、総理は自分の人気で選挙に勝てると見ていたふしがある。(バカな)自民党議員の全員の支持を得て総理になって自信満々でしたから。ところが、解散総選挙を決断できなかった。(これは福田総理が望んでいたシナリオでしたが…)
 また、今回の中川財務・金融相の辞任劇では
16日: 財務相に続投を指示  
→ 見通しが甘い。リーダーの資質に欠けている。
16日: 09年度予算案、関連法案が通過すれば辞任(条件付の辞表受理ですね)
→ 同じ日に前言をひるがえした。辞任と引き換えに法案を通そうという駆け引きは、自民党の良く使う手ではあります。古い自民党体質そのものですね。麻生総理はこういう考えで物事を処理するお方らしい。
17日: 辞任(受理した)
→ リーダーの発言がこれほど、コロコロ変わるのはいけません。政権の墓穴を掘ったのは誰か、一刻も早く気づいて欲しい。今から攻勢に転じても、好結果は期待できません。人心掌握力が恋う弱くては、何をしてもダメでしょう。既に引き時を失しています。


2 「政策とは、将来にわたっていかなる影響をもたらすかも洞察したうえで、考えられ実施されるべきものと思う。」
→ 100年に一度の経済危機と言いながら、場当たり的な政策(定額給付金)は出したけれども、肝心の遠い将来を見通した政策はないのが現政権でしょう。「迷走する帝国」がローマなら、わが国は「混迷を極める先送り国家」と言うしかありません。物事を先送りするのは、老人の体質です。

3 「哲学や芸術面ではギリシャ人に及ばず、体力では肉食民族のガリアやゲルマンの民に劣り、技術でさえもエトルリア民族の教えをうけることで、ああれほどのインフラストラクチャーの完備を可能にした技術立国になり、経済の才能でもカルタゴやユダヤの人々にはるかに及ばなかったのがラテン民族だったが、そのローマ人がこれらの諸民族を傘下に収める大帝国を築き上げ、しかも長期にわたってその維持に成功してきた真因は、実にこの、持てる力の合理的で徹底した活用への執着、にあったのだった。」
→ 塩野さんはローマ帝国を語っていますが、この分析は、日本国を励ましているように翔年は受け止めています。

百年に一回の危機なら、
若い政治家よ、立て! 若い人たちを結集せよ! この国の舵取りを老人達から取り返せ! 21世紀にふさわしい国つくりをはじめよう!
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