TOPIX -26 @2,690
日経平均 -338 @38,442円
米国では、トランプ次期大統領が先週末に次期財務長官にヘッジ・ファンド・マネージャー(キー・スクエアー・グループ)のスコット・ベッセント氏を指名したことが引き続き好感されて株式相場は続伸した。ベッセント氏は財務規律を重視しているとされ、財政赤字拡大に対する懸念が和らぎ、米10年債利回りは先週末の4.410%から4.275%へ大幅低下した。主要3株価指数は続伸した。ダウ工業株30種平均は4日続伸し、史上最高値を連日で更新した。
本日11月26日の東京市場では、トランプ次期米大統領の日本株取引開始前のSNSへの書き込みにより急落した。中国は勿論、カナダとメキシコに対しても関税を強化すると示唆したからだ。米国、カナダ、メキシコの3国の間では米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を締結してお互いに関税を撤廃しているにもかかわらずである。USMCAを事実上、一方的に撤廃するのに等しい。中国に対しては追加で10%増の追加関税を課す。これは中国からメキシコ経由で合成麻薬「フェンタニル」が米国に流入していることへの対抗措置との位置づけである。さらに、カナダとメキシコに対しても2025年1月20日の大統領就任初日に25%の関税を課す大統領令に署名すると宣言した。
これに反応して日経平均は一時700円を超す急落となった。米国の高関税政策により企業収益悪化を懸念した売りが膨らんだ。特に対中国の売上が多いアドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテックは大きく売られた。また、種子島宇宙センターで本日実施した次世代小型ロケットエンジン「イプシロンS」の開発試験で、2023年7月の爆発に続きまた爆発して失敗した。この試験失敗によりIHIと三菱重工は大きく売られた。米日長期金利の低下により銀行と保険が売られた。
日経平均の日足チャートを見ると、ザラバでは急落して25日、10日、60日移動平均線のすべてを割り込んだが、その後切り返して長い下ひげを引いた短陰線で終えた。チャートから読む少し先の株価はあくまでも大きな材料が飛び出して来ないという条件付きでこうなる可能性が高いと示唆してくれるが、その定石は強力な株価材料が出ると簡単吹き飛ばされるので、チャートを過信するのは禁物である。未来の株価を動かす力は過去のチャートの形ではなく、今この瞬間では誰も知らない未来に湧き起る大小様々な株価材料なのである。チャートを杖とはするが、足りない部分は建玉法で補うしかない。
33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭(1位)、海運(2位)、非鉄金属(3位)、銀行(4位)、保険(5位)となった。