TOPIX +11 @2,692
日経平均 +83円 @38,372円
米国では、9月の利下げがほぼ確実にあるとの観測が続く中、8月28日(水)の大引け後に発表されるエヌビディアの決算発表を控えているため、様子見ムードが強かった。
本日8月28日の東京市場では、上昇銘柄数よりも下落銘柄数の方が多かったが、アドバンテストや自社株買いの思惑から大きく買われたトヨタ自動車など株価指数に大きなウェイトを占める銘柄が上げたため、日経平均もTOPIXも小幅高となった。トヨタは5月に1兆円の自社株買い枠を設定したが、7月末までの自社株買いの実績はゼロだった。日本株も日本時間8月29日未明のエヌビディアの決算発表待ちのようだ。
投資部門別売買動向によると、事業法人は株価が暴落した8月第1週(5~9日)の買い越し額が5,060億円となり、2015年12月以来の大きさだった。そして、翌週の8月第2週(13~16日)も2,376億円を買い越した。7月以降の1カ月半で事業法人は1兆5,000億円を買い越した。事業法人の買いはほとんどが自社株買いと見られる。トレーダーの買いはその内に利益確定のために「売り戻してくる」のに対して、自社株買いは「買い切り」の一方通行なのでトレンドの方向に大きな力を持つ。過去の統計を見ると、事業法人は自社株買いにより日本株の最強の買い手となっていることが分る。第2次安倍晋三政権の「アベノミクス」以降、事業法人は32兆円も日本株を買い越しており、その買い越し規模は海外投資家の3倍にもなる。
株価が非常に安くなった時に自社株買いを実施するのは理に適っている。自社株をバーゲン価格で安く買えるでだけでなく、その時の株価が割安であるという「メッセージ」を市場に発することができ、「アナウンスメント効果」も期待できる。日経平均が1日で4,451円と過去最大の下げ幅を記録した8月5日の翌6日には、キャノンは1,000億円を上限とする自社株買いを発表した。見事だった。大和ハウス工業も7日に1,000億円の自社株買いを発表した。株安を放置すればライバルに買収を仕掛けられかねない。カナダのアリマンタシォン・クシュタールがセブン&アイ・ホールディングスを丸ごと買収するという買収提案も株価の急落後に出て来た。
日経平均の日足チャートを見ると、短陽線で終えたが、依然として半値戻しを実現した8月16日以降横ばい相場が続いている。エヌビディアの決算発表次第で上下どちらかへ放れるか?
33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、輸送用機器(1位)、電気機器(2位)、保険(3位)、医薬品(4位)、精密機器(5位)となった。