市場専門家から、日経平均株価は、割安とか出遅れているなどと言った話を聞きます。
以前の日記にも書きましたが、日経平均株価のPERは、17倍とかいわれていますが、正しくは、現在22.8倍です。
「世界の株価と日経平均先物」の「日経平均PER」から見ることができます。
みんかぶの会員さんは、ご存じの通り、日経平均株価は、「指数ベース」(225銘柄の株価平均型の指数)で算出されています。ユニクロ株や東京エレクトロン株などの値がさ株の影響が大きい。ですから、日経平均株価のPER、PBRも「指数ベース」で見るべきです。
PER、PBRの値が「加重平均」だとトヨタ自動車の影響が大きいということになり、異なる算出方法の物差しで測っていることになる。
しかし、なぜか市場専門家や多くの投資系YouTuberの方々は、日経平均株価のPER、PBRを「加重平均」で見ています。
おかしいと思わないと…(?_?)
指数ベースや、同様の方法で算出したブルムバーグ算出の日経平均株価のPERを見ると、22倍くらいになります。米国のS&P株価指数のPERと同じ水準です。
市場専門家の説明と違い、日本株は、米国株と比較して、割安でも出遅れでもなんでもないことがわかります。
こんな高い株価水準のところで、金融機関のノルマセミナーに参加し、新NISAで投資を始めると高値掴みをする恐れがあります。
昔、リーマンショックで株価が暴落しているとき、休日の証券会社のセミナーに参加したことがあります。そのときの参加者は少なく、質問時間のときに、参加者(男性)で文句を言っている人がいました。
「あなたたちの話を聞いて、分散投資をしたけど、全部下がっていますよ」
「どういうことですか!」(・o・)
その時の日経平均株価は安かった。
証券会社のセミナーの参加者も少なく、文句を言っている人がいるときが、長期投資を考えるタイミングでしょう。今は、そうではないと思う。
わたしの知人で、株式投資を得意とする人がいます。
投資の実践知識が豊富で、短期でも長期で成果を出していますが、
「これから投資を始めるのは、(株価が高いので)どうかと思う」
と言っていました。
この先、米国のFRBが利下げすると超短期的には、株が上がるかもしれないが、その後下がる可能性もあるので、注意が必要とも言っていました。
市場専門家は、米国の利下げ期待と利下げで株価は上昇すると説明している人が多いようですが、そのような簡単なものではないので注意したい。
(何が起きるかわからない米国の大統領選もあり、特に短期の予想は難しい)
・・・
信用できない日本銀行の信用力
素人のひとりごと日記です。
(参考:田中貴金属工業のデータほか)
先日、新しいお札が登場しました。
日本の新一万円券の原価は20円くらいですが、それが1万円の価値があるのは、「日本銀行の信用力」です。お札の価値の担保は、ほとんどが日本国債。
(日本銀行のバランスシートを見るとわかる)
政府や日本銀行のことを信用している幸せな人は、円で預金をすればよいかもしれません。
今から10年くらい前、政府や日本銀行のやっていることは、全く信用していないと言っている人がいました。その人は、自分の持っているお金の70%を金(ゴールド)で持っているとも言っていました。
(「ゲロロンちゃんねるさん」は、自身のYou Tubeで、80%金で保有と言っていました)
現在の金価格を見ると、その人の判断は正しかったようです。
(約3倍になっている)
現預金にしていたら、インフレで預貯金の金額は同じでも実質では減っています。(消費するモノによっても違いますが、マイナス30%くらいか)著明な投資家のレイ・ダリオ氏は、過去500年分の歴史を遡って、それを全部研究し、歴史から金融、経済を学んだ投資家です。
レイ・ダリオ氏のように日本銀行の歴史を学んで、日本銀行が信用できるのかどうか見たいと思います。
以前の日記でも名著「円の支配者」の紹介をしたことがありますが、あまり深い話を書くと、難しいので、簡単にするために、金(ゴールド)を例にとって、日本銀行の発券してきた、日本銀行券がどうなったのか見たいと思う。
日本銀行が創設されたのは、1882年(明治15年)になります。
そのとき金1グラム=1円=1ドルでした。
(明治政府がスタートしたときは、金1.5グラム=1円、1g=66.6銭だった)
政府と日本銀行が信用できる機関であれば、金1グラム=1円が続くはずですが、そうではなかった。
1930年 昭和恐慌
1932年 高橋是清による積極財政
軍事費拡大 赤字国債発行によるインフレーションの発生
高橋是清は、赤字国債発行を大量に発行すると、インフレになることをわかっていたので、金融引き締めをし、軍事予算を抑制しようとする
⇒金融のことなど、全く知らない軍部の若手将校の恨み⇒2.26事件へ
赤字国債発行を大量に発行したこともあり、
金1gは、1円36銭(1930年)から3円43銭(1934年)に大幅(約2.5倍)に上昇する。(≒円の価値が下がった)
ここから、大東亜戦争前年の1940年には、金1gは、4円61銭になる。
1941年~1945年 大東亜戦争
戦後、価格等統制令で抑えられていた物価が上昇し、
1946年(昭和21年)の新円切り替え、財産税法なども経て、
1945年8月から1949年の間で、約70倍まで物価が上昇。
1948年には、金1gは、326円 (>_<)
その後も、戦後のインフレは続く中で、
1950年には、聖徳太子の千円札が登場
1970年 金1gは、690円
1971年8月15日 ニクソン・ショック
金とドルとの交換停止
スミソニアン協定を経て、1973年より先進国は相次いで変動相場制に移行
1974年 金1gは、1,598円
2001年9月11日 アメリカ同時多発テロ事件
(ドル価値の下落、金価格上昇のきっかけとなった事件)
2013年~ アベノミクス(別名アホノミクス)
日本銀行の異次元金融緩和スタート(円のバラマキ政策のスタート)
日銀が増やしたマネー(ゼロ金利の500兆円)は、金利と利回りのある
ドル買い(約80%)になって、海外に流出した。
(円安の要因となる。輸入物価を押し上げ、日本人をさらに貧しくした)
2024年現在 金1gは、13,535円
(明治政府がスタートした、1円=66.6銭から計算すると20,507倍になる)
日本銀行が創設されてから、142年
この間に円の価値は、1/13,535になりました。
日本銀行を美術商にたとえると、創設時に135万円で売った美術品(紙幣)が
現在1万円になっていることになる。そのような美術商は信用できない。
長期で見ると、よくわかります。
明治政府がスタートしてからは、円の価値は1/20,507です。
【結論】
残念ながら、歴史を検証すると、マネーに関して、政府も日本銀行も信用できない。
日本銀行の発行する、原価20円くらいの新1万円券は、短期的な円高で価値が上がることがあっても長期では、その価値を減価させていくでしょう。
多くに人にとっては、賃金の上昇よりもお金の価値の減るスピードが速くなるので、投資の正しい知識を学ぶ必要があります。
みんかぶを活用して、これからも投資を勉強したいと思う。